AriaLien

*HANAHA Novel & Life BLOG*

カテゴリ: ◆王子様の作り方

声がした方を慌てて向くと其処にはいつも通りの無表情な龍ノ介くんがいた。 「な、なんで…いるの?!」「…此処が俺の家だから」「っ」何故か『此処が俺の家だから』という答えに胸が高鳴った。だけど「其れはそうだけど…私が訊いているのは今は会食中なんじゃないのかっ ...

 『俺には知る権利がある!いや、権利がある以前にあんたは俺のものだ!』(其れって…どういう意味)ほんの数秒前に云われた言葉がいつまでもグダグダになっている頭の中に響いていた。「あんたは…あんたは~~~歌也ちゃんは俺のお姫様だ!」「?!」先程に続きまたもや ...

 (ふ…深いっ…はげ…激しいっ)どれだけ貪られたか解らない程の洗礼を受け、やっと唇が放された。「…アルコールの味」「はぁっ!はぁはぁはぁ…」酸欠状態に近かった私は言葉を発するよりも空気を取り込むのに必死になっていた。「歌也ちゃん…」「い、いきなり過ぎよ、 ...

 (もしかして…)「歌也ちゃん?」「もしかして…ずっと覚えていたの?」「え」「あの時…昔、ちいさい時にたった一度だけ逢って…其の時に約束した事を…」「うん」「だってあの時あんた4歳でしょう?!」「4歳だよ」「そんなちいさな時の事なんて覚えている訳ないじゃな ...

其れを目の前の彼に見られたくなくて、私は慌ててソファから立ち上がった。「歌也ちゃん!」彼が私を呼ぶ声を聞きながらリビングを飛び出した。 バタンッと大きな音を立てて部屋のドアが閉まった。「ふっ…ぅ」真っ暗な部屋に私の抑えた嗚咽が響いた。(最初から…嘘をつか ...

 「ありゃりゃ~其の展開は予想外だなぁ」「裕翔、真面目にしろ」「真面目にって…正直僕にはなんの関係もない話で」「関係はあるだろう、結果として歌也さんをみんなで騙していた訳なのだから」「あぁ~はいはい、ごめんね、龍ちゃん」「…」少しずつ気持ちが落ち着いて来 ...

夢だったらよかったのにと思う出来事に遭遇したのはこれが初めてだったかも知れない。 「わぁぁぁー歌也ちゃん、出て行っちゃったよー!」「え」「これ…玄関のシューズボックスの上に置手紙があって」「…」朝起きてリビングに行くと半べそをかいた裕翔と、一見冷静さを装 ...

 「ねぇ…どういう事?」「んー?」「私の王子様って…涼花、何か知っているの?」「知っているも何も、歌也、わたしと出会った時、ずっと云っていたよ?『かやはおひめさまになるの。いつかおうじさまがやくそくをはたしにむかえにくるの』って」「?! な、何其れっ」( ...

(何が悲しかったって)みんなが私を騙していたから…(…って、なんで私、騙されていたの?)騙されていたから悲しかった?(ううん…違う)「…私だけが…龍ノ介くんの本当を知らなかった…のが、なんだか…悲しかった」「…そっか。じゃあ今は?」「え」「今は、悲しい? ...

 歌也ちゃんは俺の事を全く覚えていなかった。其のショックは余りにも大きく、想定してたサプライズは頓挫してしまった。予想外の事が起きた時のストーリーを考えていなかった俺は焦り、だけど其れを表に出す事も出来なくて再会した時のままのクールな自分を演じ続ける事に ...

其の日は散々だった。 今日が提出期限だったレポートを家に置き忘れて来て教授に怒られた。提出期限を延ばしてもらうために教授の資料作りの雑務をさせられお昼ご飯をまともに食べる事が出来なかった。帰ろうと思っていた処に名前だけ籍を置いていたクイズ研究会の先輩から ...

昨日の合コンで出逢った三杉さん。母と同じ出版社に勤めていて母の部下でもある人。不用意に警戒する素性じゃない安心感はあった。(其れに感じのいい人だった)『高科さんが厭じゃなかったら、もう少しお話がしたいと思ってしまって…如何でしょう』「そう…ですね」こんな ...

龍ノ介くんが声を荒げた事により、其の場にいた女子たちの視線が声を掛けられた人物──つまり私へと一斉に向く。 (ヤバい!)ある種の身の危険を感じた私は其の場からダッシュしていた。(一瞬だったから顏、よく解らなかったよね)自意識過剰的な考えかも知れないけれど ...

とりあえず落ち着いた私は龍ノ介くんと連れ立って自宅に帰って来た。 誰もいないリビングのソファに私と龍ノ介くんは少し間を空け座った。「…本当にごめんね、歌也ちゃん」「もういいよ。龍ノ介くんの気持ち、解ったから」「! わ、解ったって…其れじゃあ」いきなり間を ...

幼い私が龍ノ介くんに理想の王子様像を植え付けてしまった結果が今になって徒となった。子どもの戯言を律儀に守って成長して来ただろう龍ノ介くんに申し訳ないと思った。「…ごめんね、龍ノ介くん」「えっ、な、なんで歌也ちゃんが謝るの」「…うん…色々考えたらこの事態を ...

昔から憧れたお姫様に今、私はなれるのだと思った。──けれど其れと同時に湧き上がった疑問が私の気持ちにストッパーを掛けた白雪姫もシンデレラも眠り姫も王子様の何処を好きになって結婚したのだろう?白雪姫も眠り姫も全然知らない王子様にキスされて目覚めて其のままお ...

「わぁぁー歌也ちゃん、おかえりぃー!」「裕翔くん、おかえりは私の台詞でしょう」「何云ってんの、心配したんだからねーいきなりいなくなっちゃうからさー」「…ごめんね」「歌也さん…」「浬くんも、心配かけてごめんね」「いえ…おれは…其の…」「もう大丈夫だから」「 ...

今からほんの二時間前、私は龍からの告白を断った。 今は龍の事を本当の意味で好きじゃないから付き合えないと。そう云った私の言葉を受けて龍はしばし固まってしまったけれど、直ぐに其の顔に生気が戻って来た。「じゃあ、歌也ちゃんが俺の事、好きになったら付き合ってく ...

日に日に龍の私に対しての接し方が露骨になって来るのをビシビシと感じる様になった。「おぉ、龍は今日も歌也にベッタリだな」「ほーんと、ちょっとは場所、弁えて欲しいよねぇ」「まぁ…見ている分には微笑ましいけれど」父も裕翔くんも浬くんも、私と龍の現状を解っている ...

「あ~其れはあれだね、慣れ不足」「は?慣れ不足…?」講義の合間の空き時間に構内のカフェで涼花とお茶しながら話していた。涼花の家を一日で出てから数日、涼花には龍との事を全部話した。「歌也はさ、真っ直ぐで一途な愛情を向けられた事がないんだよ」「…」「いつも好 ...

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