AriaLien

*HANAHA NOVEL&LIFE BLOG*

カテゴリ: ◆王子様の作り方

幼い少年の夢はアイドルになる事だった。 キラキラ光る世界でキラキラ光り輝く自分を想像しては胸を高鳴らせていた。そんな憧れの夢を叶えたのは少年が16歳の時だった。しかし世の中は稀にみるアイドル戦国期。正統派から鳴り物入りまで芸能界はアイドルという名の生き物の ...

 「おぉーい、歌也、早く早く」「~~もう、何なのよ!」回想くらいゆっくりさせてよ!と憤りながらもドスドスと階段を下りて行くと(えっ)「ほら、歌也。この子が今度家で世話する事になった龍ノ介。歳は18」「…初めまして、八柳 龍ノ介です」(この人が…やつやなぎ…り ...

私の父が夢見て目指していた本当のアイドルとは──女性アイドルだった。そう私の父はお姫様願望を持った隠れゲイ、だった。幼い頃からテレビ画面の中でフリッフリの可愛い衣装を着て歌い踊る女性アイドルに憧れ、なりたい!と思っていた父は其の近道として普通の男性アイド ...

 『武ちゃーん、龍、来てるの?』「!」いきなり玄関から聞こえた甲高い声にドキッとした。「もう佳澄はいつも声がデカいな」「何を今更、あっ、龍~来ていたんだねー」「…ご無沙汰しています、佳澄さん」(え、何、お母さんも知っているの?)突然の光景にしばし呆気に取 ...

私が淹れたお茶を啜りながら母は話してくれた。 「知っているわよ。というかそもそも龍の母親と知り合いなの。彼女──華子とは学生時代からの友だちでね」「え、そうなの?」「そうそう。学校は違ったんだけど、コミケで知り合った同士でさぁ~」「…コミケって」「勿論ビ ...

 「あの…龍ノ介、くんはコーヒーよりも紅茶がいい?」「…え」「ほら、ロシアってロシアンティーとかあるじゃない?もしかしたらって」「…あぁ、はい。紅茶がいいです」「了解。ジャム…何があったかな」「…」思い切って訊いてみてよかったと思いながら私はコーヒーと紅 ...

其の日の夕食の席はとても賑やかだった。 「本当すっげぇ綺麗な顔してんね、龍ちゃん」「…はぁ」「ねぇねぇ、お父さんもカッコいいの?」「…普通、だと」「嘘嘘!ロシアの男って美形ばっかじゃん!絶対カッコいいよね?」「…人によりけりかと」(主に裕翔くんが賑やかし ...

 「裕翔、浬、龍ノ介、明日からのスケジュールに関するミーティング始めるから応接間に来て」「ほーい」「はい」「…はい」夕食後、父が三人を集めて一階の事務所に移動して行った。そんな様子を私は食器を片付けながら眺めていた。(本当にアイドルとして芸能活動するんだ ...

父と私、そしてアイドルユニットとしてデビューを目指す男子三人との共同生活が始まってから数日が経っていた。「じゃあ行って来ま~す」「行ってまいります」「はい、気を付けてね」高校生の裕翔くんと浬くんを玄関まで見送ってリビングに戻って来た。そしてソファに座って ...

講義終了を報せるチャイムを聴きながら私はホッと息を吐いた。 慌てて家を出て何とか講義開始時間に間に合う事が出来た。将来に関して特にやりたい仕事や夢などがなかった私は、少しだけ興味があった心理学を学ぼうと思い文化部心理・社会学科という処に籍を置いていた。社 ...

「そういえばこの間、ゲス山見かけたよぉ」「え」急に涼花が話を変え、飛び出た名前にドキッとした。「参加したイベントでコスプレしていた」「…」「目が合った途端こっちに来そうだったから逃げたんだけどぉ」「…」「お~い、歌也ぁ」「……何」「なぁに、まーだ未練タラ ...

少し前から気になっていたの。 高3になってから初めて同じクラスになって、ひと言ふた言話すようになって、彼の夢を知った時、私なんかでも何か役に立つ事があるかも知れないと、私の家庭環境を話すようになった。勿論父がお姫様願望のあるゲイだとかそういった深い部分は隠 ...

ユラユラと体が揺れている感覚がした。 『…や』(ん…)『…か…さん』(んん…)「歌也さん」「…!」耳元で聞こえた低い声に意識は急上昇した。ガバッと起き上がると其処には少し怪訝そうな顔をした龍ノ介くんがいた。「…ソファで寝ていると風邪、ひきますよ」「あ…」 ...

「裕翔、浬、雑誌取材のオファーが来たぞ」 「え、本当?!なんて雑誌?」「Ani-Love」「アニラヴ…訊いた事ないな」「浬知らないの?アニラヴ、有名なアニメ雑誌じゃん」「アニメ?…なんでそんな雑誌の取材が」「おまえらみたいなBL臭漂うアイドルは一部の属性に受けるか ...

いつも通りの賑やかな夕食を終え、私はキッチンで後片付けをしていた。 シンクで食器を洗っていると、テーブルに置いてあった携帯が鳴った。私は慌てて手を濯ぎ、携帯を手に取った。「もしもし」『歌也ぁ?わたし。今いい?』電話は涼花からだった。「いいよ、どうしたの」 ...

静かなキッチンに龍ノ介くんが拭いた食器が重ねられた時に出る金属音だけが響いた。 「あぁ、いいよ、私がやるから」「…別に、慣れているから」龍ノ介くんの『慣れているから』という言葉は、現在彼が携わっている仕事に裏付けられていた。彼は高校を卒業後、進学せずアイ ...

「おーい龍、今日午前中いっぱい店の方頼むよ」「…ん」「営業先の都合でもしかしたら午後もズレ込むかも知れないけど」「…大丈夫」「そっか、任せた」「…」「あぁー浬の方の目玉焼きの目玉、僕のよりおっきい!」「はぁ?何処からどう見ても同じ…とは云い難いけれど…ほ ...

私の性格上、解らない事は一刻も早く解決したい。解決してスッキリしたいという気持ちがとても大きかったのだけれど…(話をする機会も時間もないっ)今朝の会話から、もう今日は龍ノ介くんと話す機会はないだろうと思った。父の代わりに喫茶店を切り盛りして、そして夜は仕 ...

第一印象はあまり覚えていなかった。 容姿の事を云えば大鳥さんの派手ないでたちが目を惹き過ぎて、彼の地味──というかシンプルな其れは印象に残りにくかった。でも「多分、名前忘れているよね。改めまして、三杉 晋太郎(ミスギ シンタロウ)です」「あ、三杉さん…でしたね」「 ...

携帯で時間を確認すると21時を少し過ぎた頃だった。 (思ったより早く終わったな)行く前は憂鬱で仕方がなかった合コン(もう云いきろう)も過ぎてしまえばあっという間の事だった。涼花は大鳥さんと二次会だーと息巻いてふたりで夜の繁華街に消えた。普通なら妖しい想像を ...

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