AriaLien

*HANAHA NOVEL&LIFE BLOG*

カテゴリ: ◆ままごとマリッジ

「真柴紅実さん、あなたはこの男性を健康な時も病の時も富める時も貧しい時も良い時も悪い時も愛し合い敬い慰め助けて変わる事なく愛する事を誓いますか」「はい、誓います」(やっと…やっと此処まで辿り着いた)長かった私と彼の道のり。幼い日に出逢ってから恋をして結ば ...

パンダの絵が描かれた引っ越し社の車を見た日の翌日、教室にやって来た先生の隣に男の子が立っていた。「はい、みんな、転校生を紹介します」(転校生!)きっとあの家に引っ越して来た子だと思った。先生が黒板に【十六澤 朔】と書いた。「いざさわ さくくんです。十六澤く ...

陽生ちゃんと一緒に帰ろうと思ったけれど、生憎と児童会の集まりがあるとかで一緒には帰れなかった。陽生ちゃんは児童会の会長になってから放課後は何かと忙しくなった。其のせいで一緒に帰れる回数も少なくなった。 (はぁ…今日もひとりか)帰る方向が一緒の仲のいい子は ...

あの日、転校生を下校時に見かけて以来何度か其の姿を見かける事があった。其れは決まって陽生ちゃんと一緒に帰れない日に限っていた。(時間…か)陽生ちゃんと帰る時は大抵校庭で少しお喋りしたり遊んでから帰っていた。たまにうさぎ小屋に寄っていたりもしたから直ぐに下 ...

「はぁはぁ…」 私にしては全速力で駆けてやっと公園に辿り着いた。(転校生…転校生は何処に…)辺りをキョロキョロ探すけれど、公園内には幼稚園児位の子どもが三人遊んでいて、其の子たちの親らしい大人がベンチに座って話していた。(え?おかしいな…いない?)そんな ...

あの日以来、私は何かと転校生を目で追うようになっていた。(何なのよ、いっつもひとりでボーっと外を眺めていて)私にとって放課後の転校生の謎がずっと心の中に引っかかっている。(直接訊けたらいいんだろうけど…)そういう気持ちにさせてくれない転校生の人を寄せ付け ...

放課後は卒業文集の会議があるという陽生ちゃんの言葉を受けて私は決意した。(今日こそは転校生の謎を解く!)直接対決を決めた私はいつも通り素早く帰り道についた。(いた!)相変わらずランドセルを斜めにして歩く後ろ姿を目視して私はつかず離れずの距離感で歩いていた ...

「はぁぁぁ~」 私は大きくため息をつきながら薄暗くなった帰り道を歩いていた。(今日は散々だった…)夕方公園から戻った私を母は「遅い!」と叱り、仁王立ちしていた玄関でピアノのレッスンバックを私に渡して急げと急かした。そんな慌ただしい気持ちのままでピアノを弾 ...

あの日以来、私は今まで以上に転校生と距離を置く様になった。 転校生が私に対してどう思っているのか解らないけれど、あの日云われた言葉と態度、そして酷く蔑んだような視線が私に恐怖心を植え付けた。(もう放っておこう)変に関わらないでおこうと心の中で決めた。けれ ...

『人の後を尾行する様な女の名前なんか其れで充分だ』転校生の其の言葉を訊いた瞬間カァと体が熱くなった。「あ、あんた…知って…」「毎度毎度お粗末な後の付け方してバレないと思っていたのか?…馬鹿だな」「!」(なんて口の悪い男!)今まで寡黙なイメージしかなかった ...

あの一件以来、私は転校生── 十六澤の事が大っ嫌いになった。今まで人を嫌いになった事なんてなかった私にとって、生まれて初めての嫌いな人間だ。嫌いな人間とはなるべく顔を合わせなければいい。話だってしなければ厭な気持ちになる事もない。しかし家が近所のせいで、顔 ...

陽生ちゃんのお父さんは勤務医として働くお医者さん。お母さんも看護師として同じ病院で働いている。そんな家庭環境にいるからか陽生ちゃんは頭がいい。勉強が出来てスポーツも万能。性格が良くて優しくて面倒見がいい。だからこそ女子の人気も高かった。勿論、そんな陽生ち ...

チラッと横目で十六澤を見る。小学生の時と変わらない背丈で陽生ちゃんの様に背の高さによる威圧感はなかった。(こいつはこのままチビのままだね、きっと)ププッとほくそ笑んだ私に気が付いた十六澤が肘で私の腕を小突いた。「ちょ…痛いなぁ」「不気味に笑ってるんじゃね ...

「な…な、な、な…」(なんでぇぇぇぇぇ──?!)校庭の片隅にあったクラス分けの掲示板を見て、其の余りにも理不尽な振り分けに心の中で絶叫した。「あ、紅実、おはよーん」「~~~あ…有…紗」「まっ、なによ其のゾンビみたいな顔」「だ、だって…だってだってだってぇ ...

「へ?」「おっと、悪りぃ。丁度いい処に肘掛けがあったからつい乗せちまった」「……」「あぁ?なんだよ、其の阿呆面(ヅラ)」「…あ、あんた…」私の頭に乗せていた肘を放しながら其の男子はニヤニヤしながら私を見下ろしていた。「しっかしついてねぇな。なんで最後の最後 ...

十六澤と同じクラスになった事で私たちは小学生の時のように顔を合わせれば厭味を云い合う関係が復活していた。「げっ!なんだよ、おまえの隣かよ」「其れは私の台詞よ!」席替えのくじで運悪く隣同士になったのをきっかけに犬猿の仲は益々拍車をかけた。そんな私たちをクラ ...

「紅実、ごめんね。どうしても必要な参考書が欲しくて…このまま本屋に寄って行くから」「うん、大丈夫だよ。ってか私もごめんね、一緒について行けなくて」「いいから謝らないで──其れより早く帰らないとピアノ、遅れちゃうよ」「うん、じゃあね」図書館から出た私たちは ...

心の何処かでは薄っすら思っていた。(多分…私の尾行はバレているんだろうな)昔の苦い記憶が反芻され、そう思いながらも後を付ける事が止められなかった自分自身が情けなかった。少しの間を空け、私は十六澤の後を付けた。そして行き止まりを左に曲がると公園の入り口が見 ...

思いがけず十六澤と話し込む形になった事に私は内心戸惑いを覚えていた。「んで?おまえは何処に行ってたんだよ」「私は図書館だよ。陽生ちゃんと」「陽生と?…いないじゃん」「帰りは別々だったの。陽生ちゃん本屋さんに寄るって云って、私はこの後ピアノがあるから」「ピ ...

今まで抱いて来た気持ちが変わってしまうなんて事、思いもしなかった。「え、おまえも鴻南高受験すんのかよ」「って事は…あんたも?」「俺の頭じゃギリギリ行ける公立が鴻南なんだよ──おまえは?なんで鴻南?」「…」「何」「…あんたと同じよ」「はっ、なんだよーせめて ...

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