AriaLien

*HANAHA Novel & Life BLOG*

カテゴリ: ◆Love Life Harvest

「わぁ、この煮物、美味しいですね」「そう云ってもらえると嬉しいわ~どんどん食べてね」「遠慮なく頂きます」 蘭さんの家で思わぬ食事会になった。振る舞われる料理がどれもこれも美味しくてつい箸が進んでしまう。(流石スナックを経営しているだけあるなぁ)蘭さんはお ...

東藤さんがどんな小説を書いているのかとても気になった。其の気持ちは純粋に東藤さんが書いたものを知りたいと──ただ其れだけの気持ちで、他に込める気持ちはなかった。「そうねぇ……んー…うん、いいわ、教えてあげる」「本当ですか?!」「えぇ。ただし先生には内緒よ ...

蘭さんとの愉しいひとときを終え、家に帰ったのは21時過ぎだった。 お風呂に入って、明日の準備を軽く済ませてから布団に潜り込んだ。手元のスタンドライトの淡い灯りが私が手にしている本に優しい影を落とす。(頂きの果てに…隆成然)静かな室内に紙が捲れる音が響いては ...

いつも思っていた事をつい口に出してしまった。其れを受けた東藤さんは口を開けたまま私を凝視した。しばらく沈黙が続いた後、ようやく「…君は…何を云っているんだ」と絞り出した声で応対した。「いえ、ずっと思っていたんですよ。東藤さんって食事の仕方もそうなんですけ ...

「どうかした?」「──え」 呆けていた頭に響いた声が私の意識を浮上させた。東藤さんと入れ替わる様に昼休憩に来ていた南さんに声を掛けられ少し焦ってしまった。「もしかして美野里さんも体調が悪かったりする?」「いえ、そんな事ないですよ」「そう、其れならよかった ...

「今度、憲二郎とデートするんだって?」「……は?」 とある日の事。いつもの時間に来店、同じメニューを頼んだ東藤さんがカウンター席で頬杖をつきながら云った言葉に呆けた。「憲二郎はいい奴だから。安心して行って来なさい」「…あの、デートって…」「するんでしょう ...

一体あの人は何を考えているのだろう── 私の事を全て知っているような素振りをしたり、発言したり、お節介な気遣いをしたり、私が東藤さんの事を知りたいと思い近づこうとするのを事前に牽制したりするくせに『じゃあ、店が休みの時に夕飯を作ってくれないか』『簡単なも ...

突然行先が変更になったドライブ当日。店の前まで来てくれた南さんが運転する白い車に乗り込んでドライブは開始した。「本当いきなりこんな事になってすみません」「いえ、私は何とも思っていませんから気にしないでください」会ってから南さんはずっと私に謝りっ放しだった ...

人間という生き物は、どんなに忘れたくないと、忘れないと思った尊い記憶も、雑多な記憶の積み重ねで簡単に上書きされてしまうものなのかも知れない。 「君…みのりちゃん…?本当に?!」そう云って私の腕を取った其の人に私は覚えがない。でも彼は信じられないといったよ ...

『こうちゃん、みのりをおよめさんにして!』 『どうしたの、突然』『みのり、おばあちゃんがだいすき。このまちがだいすきなの。だからね、こうちゃんとけっこんしたらここにすめるでしょう?』『あぁ…そういう意味でお嫁になりたいって云ったの』『でもね、みのり、こう ...

いつも通り朝の二時間が過ぎ去り、賑やかだった店内は静かになっていた。(いつもなら来ている時間、なんだけど)壁に掛かっている時計をチラッと見て、そして窓越しの外の風景を見る。開店から二時間ほどはいつもの常連のお婆さんたちが井戸端会議をしている。お婆さんたち ...

突然の告白にどうしたものかと困惑する私。なまじ関わりが深いだろう相手からの告白だったので尚更困ってしまう。「──と、ちょっと焦り過ぎだな、俺」「え」重苦しい空気を破るかのように幸一郎さんは少しおどけた云い方をした。「家に帰ってから憲がさ、やたら俺の事牽制 ...

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