AriaLien

*HANAHA Novel & Life BLOG*

カテゴリ: ◆Love Life Harvest

私は何故此処に来たのだろう。 此処に何を求めて何に辿り着きたくて来たのだろうか──カラン♪「いらっしゃいませ」「あれまぁ、本当にやっているんかいな」「今日から始めました。どうぞよろしくお願いします」「あんた、あれかい?十喜代さんの…」「孫です。美野里と云 ...

「お待たせしました」突然店に現れた田舎町には不似合いな男性が注文したコーヒーをテーブルに置いた。私の言葉に微動だにしない男性が気になりつつも其のまま席から離れ、何となくカウンター内から様子を窺っていると「…」男性は置かれたカップに口をつけひと口ふた口。コ ...

突然泣き出した私にワタワタした男性は「本当にすまない!」と謝って慌ててコーヒー代をテーブルに置いて店から出て行ってしまった。 (うぅ~失敗しちゃった…)テーブルの後片付けをしながら見ず知らずの人に醜態を晒してしまった事を反省しているとカラン♪「こんちわー ...

本日三組目のお客さんは昼休憩中の来訪で30分程で店から出て行った。 (ふぅ…やっと午後か)私はカウンター側に座って簡単に作った昼食用のサンドイッチを頬張った。開店初日にしては中々の客入りじゃないかと思った。もっとも全て祖母が経営していた時代の常連客で、新規 ...

すっかり陽が暮れ、お茶屋再開初日は無事に終わりを迎えた。「ん~こんなものなのかな」店舗続きにある自宅の居間にてはぁとため息をつく。初日の来客数11人。売り上げは1万円にも満たなかった。「そりゃそうだよね。ほぼ飲み物しか出していないし」元々は亡くなった祖母が趣 ...

カラン♪ 「いらっしゃいませ」「はいはい、来ましたよ~」「あんれまぁ、まーたわしらが一番乗りかいな」「ははっ、空いていて席がより取り見取りだよ」「美野里ちゃん、いつもの4つね」「かしこまりました」お店を開け始めた翌日、午前中の早い時間から祖母の馴染みのお客 ...

「ねぇねぇ、美野里ちゃんって明日の夜、暇?」「明日、ですか?」お昼休憩にお茶を飲みに来てくれる北原さんと南さん。他愛のない話をしている中で急に北原さんが話題を変えた。「そう、もし暇ならさ歓迎会を兼ねた飲み会しない?」「歓迎会?」「 うん。つってもメンバー ...

急に騒がしくなったお茶屋はほんの十分足らずで静かになっていた。というのも北原さんと南さんはお昼休憩の時間が終り、其々の職場に戻って行ったからだ。「ご馳走様でした」完食したお皿を前に両手を合わせて挨拶する東藤さんに癒された。(ああいう些細な事されると嬉しい ...

翌日の宵の口───「おぉ!先生がいる!」「先生、来てくださったんですね」「おまえらだけだと心配なんだよ、彼女が」「心配ってなんだよ!なんもしないよ?まだ」「はい。知り合って間もない女性に対して不埒な事などしません」「じゃあ時間が経ったらするのかよ、不埒な ...

スナック【蘭の夢】ママさんである蘭(ラン)さんがひとりで切り盛りするこじんまりとしたお店だ。「今日は貸し切りにしているから思う存分騒いでねぇ~」「蘭ちゃん、オレ、ビールお替わり」「僕はウーロンハイ追加で」「はいはい。ってかあんたたち、今日は美野里ちゃんの歓 ...

『先生は有名な小説家なんだぜぇ~』 と云った北原さんの言葉。でも当の本人である東藤さんは『…売れない物書きをしています』と。(其れは多分謙遜──というものだろうけれど)有名だろうが売れないだろうが小説家という職業は凄いなと純粋に思って色々訊きたいと思った ...

『…りちゃん』 (…)『みの…ちゃん』(…ん)『みのりちゃん』(…誰?)『…忘れないで…みのりちゃん』(何…を…)『僕はずっと此処にいるから…此処でずっとみのりちゃんを待っているから』(───え)ソレヲイッタノハダレ──ダッタカ「待って!」薄れゆく声に気 ...

東藤さんとふたり、自宅に戻って来た私は早速朝食の準備に取り掛かった。「東藤さん、少し待っててくださいね」「其れはいいんだが…何故自宅の方に招いてくれたんだ」「お店の方のキッチンには調理道具や調味料が少なくて…どうせなら使い慣れている自宅の方がいいと思って ...

「…はぁ」「四回目」「うんにゃ、五回目じゃ」「…え」不意にテーブルを拭く手が止まる。「どうしたんじゃね、美野里ちゃん」「今日は元気がないみたいだねぇ」お店を開けてから一時間。開店早々いつもの常連客で店内には賑やかな話し声が広がっていた。東藤さんに朝食を振 ...

「こんにちは~」「あ」聞き覚えのある声に慌てて立ち上がった。「あぁ、美野里ちゃんいたの。姿が見えなかったからいないのかと思っちゃった」「すみません、ちょっとしゃがんでいて」来店したのは蘭さんだった。昨日お店で見たようなバッチリメイクに煌びやかなドレス姿じ ...

 『あ、もしかして先生から訊いていないの?』『あたしが男だって事』『ふふっ、嬉しいわぁ。久し振りに襲い甲斐のある可愛子ちゃんが来てくれて』『どうかあたしのものになってね、美野里ちゃん』次々に語られる衝撃の告白に私の頭の中は真っ白になった。(う、嘘…嘘でし ...

『十喜代さんから色々訊いていたから』蘭さんの口から出た其の言葉を訊いた瞬間、ボロッと涙が流れた。「えっ…美野里ちゃん?!」「う…うぅっ…」「あぁぁぁ、ごめんなさい!おふざけが過ぎちゃったわ」「ふぇ…え、え…っ」「本当にごめんなさい!今のはぜーんぶ嘘だから ...

(東藤さんは蘭さんと同じ──とはどういう事だろう?) 蘭さんから語られる東藤さんと蘭さんにとっての祖母の存在。其れは孫である私が思うのと同じくらい大きくて大切なものだったらしいという事が解った。「先生も十喜代さんにはとてもお世話になって、ある種の恩も感じ ...

翌日の日曜日はお店の定休日だった。「ふあぁ~」いつもより遅い時間に起床し、身支度と軽く朝食を済ませてからお店の前の掃き掃除をしていた。日曜日の町は静かだ。町の人たちは其々日曜日なりの用事があって、行楽や買い物などに出かけていていつも以上に閑散としていた。 ...

使えるものは何でも使う── そう決めた私の行動は早かった。『もしもし、美野里?どうしたの』「ごめんね、今話しても大丈夫?」『大丈夫だよ──あ、今月分の原稿ありがとうね。締め切り前にくれるから助かるよ』「まぁ、暇なんで…って、其れより芽衣子に訊きたい事がある ...

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