AriaLien

*HANAHA Novel & Life BLOG*

カテゴリ:◆蒼い樹が薫る > 朱に光る

私は幼い時からずっと感情のない、まるで人形のような女だと云われて来た。だけど其れは私が望んだ事ではなく、生まれ育った環境による処が大きいのだと思う。普通の子のように親に愛され、望まれて来た子どもだったらきっとこんな風にはなっていなかっただろう。誰に対して ...

「朱里」「はい」夕食後、いつもの時間に全ての家事を終え部屋へ戻ろうとした処で蒼様に呼び止められた。部屋に向いていた体を蒼様の方へ向き、其の場に跪く。「明日からしばらく休みだ」「──は?」訊き慣れない言葉に思わず顔を上に向ける。「オレは今夜から家に戻る」「 ...

昔から感情の起伏が少ない、可愛げのない子どもだった。『ねぇねぇ、ようごしせつっておやにすてられたこどもがいるところなんでしょ?』『…』『ってことはぁーしゅりちゃんっておやにすてられたかわいそうなこなんだねー』『…』物心ついた時から住んでいた私の家は、何か ...

光人から連絡をもらい、誰もいない部屋でただ時間を過ごすのは無駄な事と割り切った私は昼前にはマンションを出ていた。蒼様から買い与えられていた車でよく知った道を走る。(あぁ、そうだ。何か買物して行かないと)時間帯からみて光人の元に着くのは丁度昼頃だろうと思い ...

「私、お昼ご飯を作りに来たはずだったんだけど」「まぁまぁ、ん、上手いよ、このドリア」「…」結局あの後、散々セックス三昧の時間を過ごしてしまい、気が付いたら陽が暮れかかっていた。「泊まって行くだろ?」「まぁ…明日も休みだから」「だよな。しかしまぁ…三日も休 ...

私と光人がいた養護施設は18歳になったら退所する決まりになっていた。一足先に退所した光人は施設長からの紹介でとある会社に就職したと訊いた。しかし其れから三年。光人は一度も施設には勿論、私に逢いに来てくれる事はなかった。ちゃんと恋人同士だという確約めいた言葉 ...

「朱里はこれからどうするんだ」「…え」食事を終え、入浴を済ませてから寝室にふたりしてゆったりと横になっている。他愛のない話から光人は少し真面目に訊いた。「多分、近い内に蒼様は屋敷に戻られ、蒼様の主だった護衛活動は外部部隊から内部部隊に移行する」「…そうだ ...

右手薬指にひんやりとした感触があった。「…光人…これ」「俗にいう…給料三ヶ月分」「!」光人からはめてもらった銀色に輝くシンプルなデザインの指輪がサイドランプの光に反射してキラキラ光っていた。「この休み中にプロポーズしようと思っていて…用意していたんだ」「 ...

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