AriaLien

*HANAHA Novel & Life BLOG*

カテゴリ: ◆secret crush

ずっとずっと願っていた。僕の秘密を君が知る時が来ればいいのにと。だけど其の秘密を君が知った時、僕たちはもう元の関係には戻れないんだろうね──「…ねぇ、武流くん」「…」「ほらぁ、教科書なんて仕舞って?こっちに来てよぉ」「…」ベッドの上に座って少しずつ胸元を ...

定刻通りにやって来たバスに乗り込むと、一瞬車内がざわついて所々からヒソヒソと囁く声が聞こえて来る。『嘘!藤ヶ丘の王子と姫!』『きゃぁ~ラッキー!まさか一緒のバスに乗れるなんてっ』『あぁ…でもやっぱり噂本当なんだぁ…王子は姫と付き合っているって』『そりゃそ ...

子どもというのは素直で正直で、思った事を其のまま口に出してしまう生き物だった。「はい、みんなこっちをむいて~新しいお友だちがやってきましたよ」保育園の先生は優しく肩に手を添えながら僕を少し前に促した。「いまみやたけるくん、5歳です。みんなたけるくんと一緒に ...

ちとせは得体の知れない僕を無条件で受け入れてくれた最初の女の子だった。僕にとっては特別な…何者にも代え難いたったひとりの女の子だった。其れは何年経っても僕の中では変わる事のない…いや──其の想いは年を重ねる毎に強さを増して行く。『…ん』「…」『たけ……ん ...

「ちとせちゃん、晩ご飯食べて行きなさいよ」「わぁ、おばあちゃんありがとう!…でもね、今日はお母さん、早く帰って来るって云っていたから一緒にご飯食べる約束しているの」「そうかい、其れはよかったねぇ」「うん、すっごく久しぶりだからご馳走メニューなんだよ」「お ...

「泉水さん、オレ、ずっと泉水さんの事が好きで…オ、オレの彼女になってください!」「ごめんなさい」「うわっ、瞬殺!どうしてダメなの?付き合っている奴、いないんだよね」「…」「今宮とは噂だけだったんだよね?!」「そうだけど…でもごめんなさい」「どうして!あ、 ...

わたしが他の女の子と何処かが違う──と感じたのは随分ちいさい時からだった。「ねぇ、冴ちゃんって随分おとなしい子ね」「あらそう?子どもってこんな感じじゃないの?」「ん~普通知らない人に抱かれたら泣きそうなものだけど」「赤ん坊の頃から色んな人に抱かれているか ...

昔から大抵の困った事は笑っていれば上手く解決出来ると信じていた。実際解決した事が多かったから其れは今でも信じて疑わないでいた。──なのに「何ヘラヘラ笑ってんの?」「ってか馬鹿にしてんじゃね?」「なんか…ムカつく」「…」(笑ってもダメな時はある…の?)つい ...

「ちぃ!」「あ、冴ちゃん」ドキドキしている胸を押さえながら私はなんとか教室まで辿り着いた。私を見た冴ちゃんが慌てて駆け寄って来た。「ちぃ、大丈夫?3年に呼び出されたって教室にいた子に訊いて」「あ、うん…大丈夫だったよ」「何か酷い事を云われた?今宮について」 ...

体育館に行くために廊下を歩いていると、通りすがりにかたまっている数人の女子の話が聞こえて来た。「え、本当?其れ」「本当らしいよ。瑠花、直接泉水さんに訊いたらしい」「やったぁー今宮くんと泉水さんが付き合っていないなら堂々と告れるよね」(えっ)何、今の…(武 ...

「何読んでいるの、ちぃ」「あっ」翌日休み時間にこっそり携帯で柔道に関するページを閲覧していると冴ちゃんに覗き込まれた。「…柔道?何、なんでそんなの見ているの」「あ…あのね、昨日云っていた…1年の子ね、柔道部だったの」「…」「其れでね、なんかマネージャー募集 ...

キーンコーンカーン「やっとお昼だぁ~あぁ~お腹空いた」「ちぃ、お弁当食べよう」「うん──あれ、武流くんは?」いつもお昼は冴ちゃんと武流くんと教室の机を引っ付けてお弁当を食べていた。だけど今日は武流くんの姿が見えなかった。「あぁ、今宮は購買に行くって。先に ...

キーンコーンカーン(! 終わった)授業終了のチャイムの音と共に教室内は騒がしくなる。だけど不思議な事に私の周りはやけにシンッと静まり返っているかのようにとても静かな空間があった。(いよいよ…小ノ澤くんに…っ)小ノ澤くんの事を考えるだけでドキドキして仕方が ...

私と冴ちゃんはクラブ棟から武道館に続く渡り廊下に立っていた。其処を通る何人かからチラチラ見られたり、時々冴ちゃんに声を掛けたりしている人をかわしながらも小ノ澤くんが通るのを待っていた。「…遅いわね」「うん…」中々通らない小ノ澤くんにひょっとして今日は部活 ...

ガタンガタンとバス特有の心地いい振動が体を緩く揺さぶっている。「いいんじゃない?」「え」二人掛けのシートの通路側に座っていた冴ちゃんが私に云った。「彼…小ノ澤くん。多分今までとは違うと思う」「え…其れってどういう処でそう思うの?」小ノ澤くんと別れて、其の ...

「…はぁ」空になった弁当箱を前にため息が出る。『ねぇねぇ、声、掛けてみなよぉ~』『えぇーでもご飯食べてるし』『でも終わったみたいじゃない?お茶を差し入れる振りしてさぁー』(…丸聞こえだよ)図書館の飲食スペースで祖母が作ってくれた弁当を平らげた。(ばあちゃ ...

図書館を出る頃にはすっかり暗くなっていた。「送って行くよ」「えっ」一緒に館内から出た竹内さんにそう云った。「もう暗いし、君は女の子だしね」「…」「云っておくけれど其処にはなんの感情も存在していないからね」「…すぎ」「は?」「武流くん…優し過ぎ」「…」顔を ...

「何、其の目の下のクマ」「…」翌日、昇降口で会った泉水に開口一番にそう云われた。「寝不足?まぁ、そうでしょうね。寝られる訳がないか」「…なんだよ、其の云い方」「あんた、ちぃを誘ったんだって?しかもプラネタリウムって」「! なんで泉水が知っているんだよ」「 ...

朝の予鈴が鳴るまであと10分。朝練をしていた各部活の部員がゾロゾロと武道館から出て来た。(わっ、体から湯気が出てる)部室に向かう何人かはまだ寒い外気に晒された体からほんのりと白いものが漂っていた。朝練だというのに物凄い練習が繰り広げられていた。私はこっそり ...

「え、学食に行く?」「うん…だから今日は冴ちゃんと一緒にお弁当食べられないの」「…」お昼休み開始のチャイムが鳴り終わる前に私は冴ちゃんの席まで行き、昼の予定を告げた。「ちぃ、お弁当忘れたの?」「えっ!…ううん…お弁当はあるの」冴ちゃんの席に近い武流くんが ...

このページのトップヘ