AriaLien

*HANAHA Novel & Life BLOG*

カテゴリ: ◆タタリ荘のモノノケ

今の私の不幸は全て、私自身が引き起こした事、なのだろうか──? 「な、ななななんで、おまえ…此処にっ」「…」「ねぇ、だぁれ?このダッサい女」「…」私はただ、サプライズしようと思っただけだった。練りに練ったサプライズを半年がかりで準備して、そして其れをお披 ...

「此処、お稲荷さんが祀られているんだ」石敷きの道を少し歩くと、両端にちいさな白い狐の石像が置かれていた。簡素な祠を護る様に佇む其の姿になんだかスッと心が洗われる様な気がして、私は思わず手を合わせてお参りした。すると鞄の中の携帯からメールを受信した音が聞こ ...

(全ては私が嘘をついていたから)茫然としていた頭の中にジワジワと湧いて出て来る様々な現実。私は先輩にフラれてしまった。今日から先輩と一緒に住めると思っていたのに。甘えん坊の私が自立して自活する事を喜んでくれた両親。今更帰る訳には行かない。同棲するから住む ...

ホテル代を節約するために野宿でもしようかと考えた。 (あ…でもまだこの時期の夜は寒いかな)春先の花冷えする事を考えると憂鬱になった。「う~ん……此処なら…もしかして」「!」うんうん考え込んでいる頭に店主の言葉がハッキリと聞こえた。「何処かありました?!」 ...

「えーっと…確かこの辺…」 私は不動産屋さんからもらったアパートの資料と携帯をにらめっこしながら夕暮れの街を歩いていた。不動産屋さんの店主が云った『ただね…』という言葉の後には『わし…あの場所に行くの、ちょっと遠慮したいので…お嬢さんひとりで行ってくれる ...

「はい、住みます──いえ、住まわせてください!」何とかそう伝える事が出来た。「不動産屋からちゃんと訊いたか?此処がどういう処か」「はい、築五十年で風呂トイレ、台所共同だと」「おまけに」「曰く付き」「其れだけ訊いても住むのか」「はい」「…あんた、正気か?」 ...

玄関を過ぎ、通された居間には大きな丸い卓袱台が置かれていた。(おぉ、実家の雰囲気に似ている)和室の雰囲気といい、間取りといい、実家と遜色ない内装が何故かホッとした気持ちにさせた。「其処、座って」「あ、はい」座布団が置かれた場所に座ると、大家さんがお茶を淹 ...

「どうだ」「解りました」「いいのか?」「はい」よく解らない、おかしなルールだなと思ったけれど、其れもやっぱり私にとっては特別不都合が生じる事ではなかったので直ぐに了承した。「日曜日だぞ?デートとかあったりしたら都合悪いんじゃないのか?」「…デート」大家さ ...

少し気持ちが落ち着いた処で部屋を出て一階の台所にやって来た。「わぁ」台所も実家で馴染み深い年季の入った同じような内装で、やっぱりなんだかホッと安心出来た。「えーっと、冷蔵庫」何を作ろうかと悩みながら冷蔵庫を開けると、割と何でも出来る程の食材が詰まっていた ...

・・・・・・・・・『…ほう、今時珍しい娘じゃな』『ほんにのぅ…何がよくてこぉんなバケモノ屋敷に住むのか』『バケモノではない、我らはれっきとした──』(なんだろう…耳元で沢山の人が話している様な声が…) 「───きて」「……」「おぉーい、起きて」「!」緩く ...

「あの」「あ?」「どうしたの、真優ちゃん」私の呼び掛けに大家さんと晴幸さんが振り返った。「あの…晴幸さんと大家さんって同じ苗字なんですよね?」「あぁ、ケンさん、話していなかったの?あのね、ケンさんは僕の伯父さんなんだ」「え…おじさん?!」「そうだ。俺の弟 ...

「…ふぅ」 新しい住まいでの夕食を済ませ、後片付けをした後お風呂に入ってようやくひと息付けた。「あぁ…やっと今日という日が終わる」用意されていたふかふかの布団の上に寝転がりうーんと背伸びした。「…」古くて色褪せた木目の天井を見つめていると、今日一日にあっ ...

晴幸さんの『お弁当作ってあげる』発言に恐縮していると、少し考える振りをした晴幸さんが私に云った。 「じゃあさ、一日交代で作るっていうのはどう?」「一日交代?」「うん。其れだったら真優ちゃん、気を使わなくていいんじゃないかな」「…」晴幸さんの提案した打開策 ...

『あいつは憑りつかれている』突然云い放たれた大家さんからの物騒な言葉に正直ギョッとした。「憑り…つかれているって…」「其のままの意味だ。あいつはこの家に巣食うバケモノに憑りつかれている」「バケモノ?!」「そうだ。おまえ、此処を紹介した不動産屋から訊いたい ...

大家さんの話は佳境に入った。「俺が高校を卒業する年、父親は原因不明の心臓発作で呆気なく死んだ」「え!」「多分、長年少しずつでも良くない霊気に晒されて来て気が付かない内に体を蝕まれていたのかも知れない。其の時は俺を含め、家族全員がそんな事解っていなかったけ ...

『…訊いたか?』『訊いた、訊いた』『出て行かないと云ったぞ』『怖いけれど怖くないとは如何に?』『主様も感心しておったなぁ』『活きのいいオナゴは好物じゃからなぁ』『愉しみ』『愉しみ』『愉しみじゃ』(ん…また…)耳元で何人かの声がする。「……ぁ」薄っすらと開 ...

いつもの時間に晴幸さんと朝食を摂り、そして7時過ぎには晴幸さんは勤め先である市役所に出勤して行った。後片付けをしながら洗濯をしたり庭の草花に水を遣ったりしていると大家さんが起きて来て朝食を摂る。他愛ない会話をしながら、朝食を終えた大家さんが外出すると私は簡 ...

突然庭に現れた男の子。多くを語らない其の子のことが何故か気になって仕方がない。「ねぇ、君のお名前教えてくれない?」「……はゆ」「はゆ?…うん…はゆくんね。私は真優です」「……」(変わった名前だな…今時の名前って感じ)名前もそうだけれど、其の格好も少し変わ ...

「子どもが消えただぁ?」「そうなんですよ!忽然と、綺麗さっぱりと!」「なんか其の表現、おかしくないか?」「おかしいかも知れませんけど、思わずそう云いたくなるほどに見事に消えたんですよ」お昼過ぎ。外出先から帰って来た大家さんとふたりでお弁当を食べながらつい ...

あの日体験した出来事から、ちょっとした不思議な出来事が私の身の周りでちょこちょこ起きるようになった。といっても本当に些細な事で相変わらず「怖い!」なんて思う間もなかったのだけれど。「あれ?」晩ご飯の用意をしていると、三人分用意していたはずの焼き魚が一尾消 ...

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