AriaLien

*HANAHA Novel & Life BLOG*

カテゴリ: ◆獣は睡蓮の花言葉を知っている

───好きになった人は好きになってはいけない人でしたこの世の中に神様という存在があるのならきっとこの出逢いはなかったと思う。そしてこの世の中に神様という存在があるのならきっとこの気持ちは恋にはならなかった。だからこの世の中に神様なんていない─── 『── ...

 私は兄に育てられた。父は私が母のお腹の中にいる時に事故で亡くなっていた。其れから母は生まれたばかりの私と8歳の兄を女手ひとつで育てて来た。兄は母と家計を助けるために高校卒業後、大学に進学せずに就職をした。しかしこれから母を楽にしてあげられると思った矢先、 ...

初出勤だというのに寝坊してしまった。でも朝ご飯を食べる時間を惜しんだおかげでなんとか始業時間前にお店に着く事が出来た。遅刻しなくてよかった──なんて思いながら、第一印象が大切!とばかりに思いっきり元気にお店の中に入ったのだけれど……「え…」「だからね、此 ...

「帰りません!」 「はぁ?何を云っているんだ、君は」「其方の不手際で迷惑をかけられたのは私ですよ?!『間違っていたから帰れ』なんて勝手な云い分、酷過ぎます!」気が付けば私は腹の底から声を出して店長に噛みついていた。「ちょ…君、落ち着きなさい。そんな大声で ...

 『本店には要りませんよね?彼女』先程の謝罪の態度に伴わない言葉に唖然とした。しかし「では彼女は僕がいただきましょう」「は?!れ、蓮条院様、何を──」「丁度身の回りの補佐が欲しいと思っていた処です」「な…なっ、なっ」(…えーっと)私の気持ちを其のまま代弁 ...

やがて車が停まり、促されるように降りた其処には見た事もないお屋敷がそびえ建っていた。「…此処…は」「僕の家です」「?!」確かに家に行くとは云っていたけれど…(まさかこんな鹿鳴館みたいな建物とは思わなかったよ!)そう、其の建物は教科書に載っているような昔の ...

突然現れた人に連れられて、そしてあり得ない就職先を紹介されて戸惑った。 余りにも凄い案件だったので直ぐに返事をする事が出来なくて、一日考えさせてくださいと云って屋敷を後にした。黒塗りの車で家まで送ると云われたけれど、遠慮して屋敷の最寄り駅を教えてもらって ...

「清子、おまえ何を云っているのか解っているのか」「解っているよ。この家を出て住み込みで働くって云っているの」「其れがどういう事か解っているのかって訊いているんだ!」「っ!」今まで訊いた事がない、声を張った兄の強い口調にビクッと体が撓った。(なんで…なんで ...

きっかけは些細な事だったはずだ。普通の家庭にありがちな、双方の意見の違いから云い合った口喧嘩だった──はずなのに『ずっと、ずっとずっとずっと前から…お兄ちゃんの事が好きで…好きでしょうがないの!』『私の好きっていうのは…兄として好きじゃない好きだよ!男と ...

兄の言葉にまともな思考が出来ないでいた。 だけどそんな私に構わずに兄は言葉を続けた。「清子は俺を兄として見ていなかったのか?」「……見て…いたよ」「でも普通兄に対して好きという気持ちは抱かないだろう」「そう…かも知れないけど…でも…お兄ちゃんは…お兄ちゃ ...

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