AriaLien

*HANAHA Novel & Life BLOG*

カテゴリ:◆久遠の旋律 > 蜜月狂想曲

謎多き大物作曲家、久遠寺 智里(クオンジ サトリ) と売れない無名シンガーソングライターのLiLiCaこと、私、新実 梨々香(ニイミ リリカ)が結婚してから二ヶ月。私は結婚してから今まで知る事の無かった色んな事実を知る度にいちいち驚く日々を送っていた。ピンポーン「はいっ」『久 ...

(…ん) 不意に意識が浮上してうっすら瞼を持ち上げた。(…統理、さん?)意識が無くなる前まで私をきつく抱きしめていた愛おしい人が傍にいない事に気が付き、少し気怠い体をゆるりと起こした。其の瞬間、下半身に違和感を覚え其の正体に気付きカァと体中が熱くなった。 ...

気が付けば外は薄っすら暗くなっていた。 昼過ぎから始まった甘い時間は実に四時間近く続いたようだ。「晩ご飯…作らなきゃ」統理さんからの濃厚な行為を受け、再び意識を手放してしまった私はひとり残されているベッドからようやく起き上がった。(統理さん、何処だろう) ...

「わぁ、素敵なジャケット!」 「うん、まぁ概ね曲想と合ったデザインかな」統理さんが作った夕食を摂った後、私たちはリビングで日中に届いた小包を開いていた。中身は統理さんが手がけたヒーリングミュージックの完成CDだった。「このCDの楽曲、作曲だけじゃなくて実際の ...

~♪♪~~♩~♫♪~ (F♯ Bsus4 B……ん、違うか)月末締め切りの仕事が佳境にある統理さんが仕事部屋に籠ってから三日。するべき家事を終えるとやる事が無くなり、私は庭に出てギターを弾く時間が増えていた。「…はぁ…なんか…降りてこないなぁ」久し振りに曲を作ろう ...

其の報せが届いたのは統理さんがつぐみさんのために作った完成CDを受け取ってから二週間後だった。「おめでとう、つぐみ」「あ~ありがとう、統理くん」(『統理くん』?!)其の訊き慣れない新鮮な呼び方に私は密かに胸を高鳴らせた。そんな私をベッドで上体を起こしている ...

「梨々香、先刻はごめん」つぐみさんと赤ちゃんの面会を終え、入院している病院を出て宿泊するホテルに着いた途端、統理さんがそう謝った。「え?なんですか」「折角可愛いものを見に行ったのに途中、其の雰囲気を壊しただろう」「…其れって」つぐみさんの言葉に一瞬場の雰 ...

上京して二日目のこの日、私と統理さんは別行動を取ることになった。統理さんが美加流さんに呼び出されて仕事関係のミーティングを行うために出かける事になったからだ。「くそっ、美加の奴ここぞとばかりに仕事詰め込みやがって」「まぁまぁ、其れでも大半は美加流さんがこ ...

怒号と共に見えた懐かしい顔にある種の郷愁を感じた。「なっ…おま、梨々香!」「社長、ご無沙汰しています」久し振りに顔を合わせた五所社長が驚いた顔で私を凝視した。「どうした、なんで此処に──って…まさかもう愛想尽かされて出戻って来たんじゃ」「は?!違いますよ ...

近しい関係になったらなったでかえって云い出しにくいことがあるのだと知ったのはつい数ヶ月前。 ちいさい時から憧れていた人と結婚したことにより、私の叶えたかったもうひとつの夢は容易く叶えられるだろうと思っていた。──だけど実際は其の余りにも近過ぎる関係ゆえに ...

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