AriaLien

*HANAHA NOVEL&LIFE BLOG*

カテゴリ: ◆SOULAGER

──私は今までに恋愛というものを真剣にしてこなかったのかも知れない「別れて欲しい」「…」「おまえってオレの事、本気で好きじゃないよな」「…」「そういうの、解るんだよ。付き合っていると」「…」「オレの方から付き合ってくれって云った手前…悪いとは思うけど」「 ...

「お待たせしました」 涼やかな声と共に私の目の前にミルクティーが置かれた。「…ありがとうございます」私がお礼を云うと店員はまたにこやかな笑みを浮かべ立ち去った。(先刻はちゃんと見なかったけど)周りの風景が私の目に映って来た。こじんまりとした店内。座席はカ ...

イケメン店長という言葉で少し邪な考えに逸れてしまったけれど、本題を思い出し折り返しメールを出す。 【其のSOULAGERって前に芳香が云っていたイメージカフェって処なの?】少しドキドキしながら返信を待った。すると【そうだよ。前に話していたよね、いつか行きたいねっ ...

望んでいないイメージに怒るお客をスマートにかわす店長に胸がドキドキして仕方がなかった。其れまでの流れから私はもう一度手元にあるカップを眺めた。(ピーターラビット…うさぎ)あの人は私をうさぎだとイメージした。(す…凄い!)其れはある意味彼に恋するきっかけと ...

 『店長さんを好きになったからです』気が付けば馬鹿正直にそう答えていた。「…」私の告白を訊いた店長は呆気に取られていたけれど、大した動揺を見せずに「此処じゃなんだから」と云って店内に入る様に促した。(流石…告白なんて慣れているって感じ)ある種、自分にも身 ...

この人にはもっと色んな表情があるのだろうと思った。そう思ったら其の全ての表情が見てみたいと思った。「あのさ、運命の人って、何を根拠に云っているのかな」「根拠って」「君と俺が知り逢ったのは今日が初めて。ほんの半日ほどの事で何をもって運命というのかな」「だっ ...

昔から男の子に不自由した事がなかった。 年頃になってからは『好きだ』と告白をされて付き合ってばかりいた。自分が誰かを好きになる前に好きになってくれた人がいたからわざわざ探す必要もなかった。例え直ぐにフラれても直ぐ次の人が来た。絶え間なく続くそんな関係に、 ...

──好きになった人は私と同じ境遇の人でした──(去る者は追わず来る者は拒まず体質!)自分と似通った恋愛観の持ち主だろう人を好きになってしまった。これが意味するものは何だろうと思った。「あの…」「まぁ…いいか」「え」「君、可愛いしね」「!」そう云うと店長は ...

「ごめん、前言撤回!」「──え」 先刻まで握られていた掌がバッと放された。「俺、年上ダメ」「は?」いきなり云われた言葉に一瞬頭が真っ白になった。「俺、年下しか付き合えない」「なんで」「なんでも」「…」ボソッと呟いた彼の言葉がやけに心にズシッと重りを落とし ...

「えぇ、付き合う事になった?!」「うん」「彼氏に別れてくれって云われてフラれたくせに、其の日の内に違う男と?」「うん」「しかも其れが…SOULAGERのイケメン店長だって?!」「うん」「信じらんない!…いや、美兎ならあり得るかも知れないけど…けど…」「初めてなん ...

デパートを後にした私はSOULAGERにやって来た。(ふふっ、連絡しないでいきなり行って驚かせてやろう)そんな悪戯心が湧いてやって来たのだけれど──「え」お店のドアには【closed】の看板が掲げられたままだった。「え、なんで?」マジマジと店頭を眺めていると、壁に打ち ...

「何してるの」「…」 頭に置かれた温もりに視線を向けてみれば、其処には彼が立っていた。其の瞬間、目頭が熱くなった。胸も締め付けられる様な痛みを孕んだ。「今日は店、休みだって知──」「逢いたかった!」「!」「逢いたかったからお店に来たの。だけど日曜休みだっ ...

コポコポと温かい音と独特の芳ばしい香りが店内を漂っている。 「コーヒー飲む?」「うーん…正直に云うとコーヒーって苦手」「嫌いって事?」「嫌いじゃないけど…苦いから」「だったらミルクと砂糖を入れればいいよ」「え、いいの?」「なんでそんなに驚くの」「だって本 ...

『美兎ちゃん』『悠真くん』と呼び合うようになってから私たちの間のやり取りが少し柔らかくなったような気がした。 「美兎ちゃんは普段何しているの?」「私は普通に土日休みの会社員だよ」「ちゃんと仕事しているのにこの店でバイトしたいってよく云ったね」「あ、其れは ...

やがて店内に差し込む光が橙色になっているのに気が付いた。(あ、今何時だろう)ふと店内に掛けられている時計に目をやると、あと一時間ほどで芳香と約束した時間になる処だった。「ん、そろそろ晩ご飯の時間だね」「そうだね」「どうする」「どうするって?」「これから何 ...

「ごめんね、思ったよりトイレ込んでいて──あ、お友だち来ていたんだ」私の隣にごく自然に座った彼を見た芳香は固まっていた。「あ、あのね、芳香。此方…昨日からお付き合いしている泉澤悠真さん」「初めまして、泉澤です」「…」「…おーい、芳香?」未だに固まっている ...

時間にして30分位だったと思う。「お世話かけました」「ううん、突然芳香を誘っちゃってごめんなさい」「謝らないでよ、これに懲りずまた誘ってやって」「うん、じゃあお願いね」「うん──おやすみ」酔った芳香を迎えに来るように連絡した人が既に眠ってしまっている芳香を ...

 『彼女がわざと酔ったフリしてホテルに誘うパターン』そう云った彼を少し遠くに感じてしまった。(…いや、あるでしょう、普通にそういう事)自分に置き替えて考えても解る事だ。今までに彼がどれくらい女の子と付き合って来たか正確な人数は知らないけれど、きっと色んな ...

 『このまま帰る?其れとも──』いい歳をした私は、其の言葉の意図ぐらいちゃんと理解出来た。だけど「今日はこれでさよならしよう」「…え」私はそう云ってタイミングよく通りかかったタクシーを停めた。「悠真くん、相乗りする?」「あ…俺は其処の駅から電車乗った方が ...

カチャンという音と共に開く重い扉の先は真っ暗闇。「…はぁ」深く息を吐いてしばらく其の場で佇んだ後、手元のスイッチを入れる。途端に淡い光に包まれる部屋をぼんやりと眺めた。「…」のっそりと部屋に上がり、持っていた荷物を放り其のままベッドに倒れ込んだ。「……あ ...

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