幼い少年の夢はアイドルになる事だった。 


キラキラ光る世界でキラキラ光り輝く自分を想像しては胸を高鳴らせていた。

そんな憧れの夢を叶えたのは少年が16歳の時だった。


しかし世の中は稀にみるアイドル戦国期。


正統派から鳴り物入りまで芸能界はアイドルという名の生き物の群雄割拠の世界だった。

そんな戦乱の中でとある事件によりアイドルの座からあっという間に転落した少年は徐々に世界の隅に追いやられ、やがて誰にも知られない存在へと堕ちて行ってしまった。


其の時彼はまだわずか20歳だった───













「おぉーい、歌也」
「なーにー」
「この荷物も三階の奥の部屋に持って行ってくれー」
「えぇ~まだあるの?」
「まだあるよ、ホレ頑張れ、バイト代弾むからさっ」
「…もぅ」

(バイト代につられ力仕事に精を出すなんて我ながら情けない)

ハタチのうら若き乙女の休日がこんなんでいいのかと頭の中はモヤモヤでいっぱいだ。

(っていうかこの荷物の主は何処にいるのだ)

先刻から運ばれて来る荷物は父の手から受け取るばかりで肝心の引っ越しの主が顔を出していなかった。

(はぁ…先が思いやられる…)



私は高科 歌也(タカシナ カヤ)

20歳のごくごく平凡な女子大生。


しかしこんな平凡な私の家庭環境はちょっと平凡ではなかった。


「歌也、ちょっと」
「もぅー何よ、ちょっと待って!」

三階に上がったばかりの私を一階から呼ぶ父は人使いが荒い。


私の父は若い頃アイドルとして一時期芸能界という場所で活躍していた人だった。

勿論其れは私が生まれる前の話で、私が生まれた時にはもうすっかり其の世界とは縁のない人となっていたから私は昔の雑誌やCD、録画されたDVDで其れを知るしかなかった。


そして私の家が周りとはなんだかちょっと違う──?と感じ始めた頃、父や私の周りの環境に関する秘密が明らかになった。


真実を知った時、私は軽く一週間寝込んだ。


其の衝撃の秘密とは──


王子様の作り方
★ランキングサイトに参加しています。
其々1ポチずついただけると執筆の糧になります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村