春休み初日、其の日はとても暖かな一日だった。


「ねぇ、武流見て見て!オランウータンがいる」
「何、そんなにはしゃいで。ちとせそんなに猿好きだっけ」
「猿じゃないよ、オランウータンは森の人だよ」
「森の人…あぁ、オランウータンのマレー語か」
「ちょ…なんか難しい事云わないでよ。純粋にオランウータンを見たいんだから」
「ん、了解」


予てより計画していた武流とふたりの旅行を現在実行中の私。

メインのお花見が出来る温泉旅館に行く前に近くにある動植物園で私ははしゃいでいた。


「ねぇ、写真、撮ってもらおう」
「いいね──あ、すみません、写真撮っていただけますか?」

植物園内にある珍しい大きな木の前で通りすがりの男性に頼んで写真を撮ってもらった。


「ふふっ、やっぱり武流、写真写りいいね」
「其れを云うならちとせだって。可愛いよ」
「~~~」


既に云われ慣れている言葉でもやっぱりまだドキドキしてしまう私だった。




久しぶりに動物園や植物園を堪能した私たちはバスに乗って宿泊予定の旅館に着いた。

「おいでませ」
「こんにちは」

玄関ロビーに入ると直ぐに女将らしき人が出て来て対応してくれた。


「井関さんの娘さんのちとせさん、でしょう?」
「はい…あの、今日はお世話になります」
「えぇえぇ、静江さんからくれぐれもよろしくとご挨拶いただいていますよ──っと…此方が」
「あ…はい」

母から昔馴染みの温泉旅館を紹介してもらったのが此処だった。

母と同世代らしい女将さんは私の隣にいた武流を見てほぉとため息をついた。

「いやや~本当に男前の彼氏さんねぇ。静江さんがはしゃぐ気持ち、解るわぁ~」
「今宮武流です。よろしくお願いします」
「まぁまぁ、日本語達者なのね~此方こそよろしくお願いします」

女将さんが少し頬を染めながら武流と私にお辞儀してくれた。

其れを見て私たちも深くお辞儀をして、やがて其処には笑い声が響いたのだった。


私たちは女将さん案内で今夜泊まる部屋に辿り付いた。


「わぁ!凄い」

中に入った途端感嘆の声が出た。

品のよい和室に眺めのよい庭園。

そしてジャバジャバと聞こえる水音に惹かれ足を運ぶと、其処には丸いヒノキのお風呂があった。


「源泉掛け流しです。いつでもご利用ください」
「はい」

女将さんは私たちに簡単に説明をしてにこやかに部屋を出て行った。



「わぁ~早咲きの桜の花びらが温泉の中に浮いている」

私は相変わらず厭きもせずにお風呂を眺めていた。

すると後ろからフッと温もりを感じた。

「ちとせ」
「…武流」

やっとふたりきりになって、武流は徐に私に甘く囁く。

「ねぇ、早速お風呂、入ろうか」
「え…い、一緒に?」
「勿論──あれ、厭?」
「厭って訳じゃ…ないけど…まだ明るいし…恥ずかしいな」
「何を今更。僕、ちとせの体の隅々までもう知っているんだからね」
「~~~」

耳元で囁かれ、時々耳朶を甘噛みされてゾクゾクと快楽の騒めきに襲われた。

そして其のまま唇に甘いものが押し当てられ、私は其れを夢中で食んだ。

「んっ…んっ」
「ふ…ぅん…ん」

クチュクチュと唇同士が擦れ、そしてお互いの舌がヌチャヌチャと絡み合った。

「はぁ…ちとせ…」
「ん…武流」

キスをしながら私たちは互いの衣服を脱がし合った。

もどかしい気持ちが指に伝わって上手くボタンを外す事が出来ない私の指を取って武流はチュッと口づけた。

「ちとせ、可愛いね」
「武流こそ…カッコいいよ」
「ふっ、嬉しいな、ちとせからそんな事を云われると…もう我慢出来ない」
「…!」

不意に感じた硬いモノ。

其れを押し付けられた瞬間、私の中で何かが弾けた。

「あっ」
「…」

武流のモノを手に取って緩やかに扱(シゴ)いた。

「ちょ…ち、ちぃ…」
「武流…気持ち…いい?」
「んっ…いい…ヤバいくらいに」
「…そっか」

そして其のまま私は武流の元に跪き、ビンッと勃っているモノを口に含んだ。

「あぁっ」
「…」

武流の何ともいえない喘ぎ声に私の気持ちも高揚して来た。

ペチャペチャと舐める音が掛け流されている水音と妙なハーモニーを醸し出していた。


「あ…あぁ…で、出る…」
「ん…んっ」
「ちとせ…本当に…もう…っ」
「…」

武流が私の肩に手を置いて口の中からモノを出そうとするけれど、私は其れには従わずに舐め上げるスピードを増した。


「うっ、わぁっ」
「っ!」

瞬間、喉の奥目掛けて凄い勢いのモノが放たれた。

「あ…あっ…んっ」
「~~~っ」

私は武流が射精したものを全て呑み込んだ。

私の口から解き放たれたモノの先をペロッと舐めると武流はブルッと身震いした。


「ちょ…ちとせ…何、この技」
「…したかったの」
「え」
「武流のモノ…しゃぶりたくて仕方がなかった」
「~~ちとせっ」
「!」

口の端を拭っていた私の体は武流によって軽々と抱きかかえられてしまった。

「──今度は僕の番だ」
「…武、流」


これから来るだろう快楽の予感に私もまたフルッと身悶えたのだった。


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