右手薬指にひんやりとした感触があった。

「…光人…これ」
「俗にいう…給料三ヶ月分」
「!」

光人からはめてもらった銀色に輝くシンプルなデザインの指輪がサイドランプの光に反射してキラキラ光っていた。


「この休み中にプロポーズしようと思っていて…用意していたんだ」
「…」
「例え断られても…俺はこの指輪を無駄にする事はしないって決めていた」
「…」
「今は駄目でも…いつかは絶対この指輪をはめてもらえるって信じていたから」
「…光人」
「朱里、俺の嫁さんになってくれるか?」
「…………はい」


直ぐに返事出来なかったのは感極まって涙が零れてしまったから。


(どうしよう…嬉しい…すごく…物凄く嬉しい)


この時感じた気持ちが全てだと思った。


嬉しくて幸せで…


自然と湧き上がった歓喜の涙が如何に私が光人の事を好きで、光人とこういう風になりたかったとのだという気持ちの表れだと思った。


「ははっ、やった…やった、やったやった!」
「みつ──んっ」

大喜びではしゃいでいた光人は急に私に覆い被さり、そして唇を強く塞いだ。

「ん、んっ」
「ふっ…ぅん…んっ」

食むように繰り返されるキスは次第に深くなり、気が付けば私はまた光人の熱い楔を打ち込まれていた。





「あっ、あんあんあんっ」
「ふぁ…くっ──はぁ、あっ」

激しい律動は私の奥深くまでを抉り、ギチギチに隙間なく擦れる感触が早くも絶頂の波を予感させた。


「あっ、ま、待って…光…と」
「ぁあ、何…」
「光人…ゴム、してない」
「んなの要るか?家族になるっていったおまえに」
「…光人」
「おまえを早く母親にしてやりたい」
「!」
「そんで…俺も早く親父になりたいんだ」
「…光人」
「今まで散々お預け喰らって来た中出し、させてもらうからな」
「……うん」


ふっと気持ちが通じ合った瞬間があった。


光人が望んだ事を私も望んでいて…


お互いが夢見た未来を作るために一緒に行動する事の素晴らしさに胸が押し潰されそうなくらい幸せを感じた。



「愛してる、ずっと昔から…おまえだけを…朱里」
「私だって…ずっと、ずっと光人だけが……好き…」


息も絶え絶えにグチュングチュンと響く卑猥な音をBGMに甘く囁く。



何度も何度も私の中に放たれる白濁の命の種はいつか私の中で芽吹くのだろうか──?


(育つといいな…)



ふと脳裏に涙花様の姿が浮かんだ。

愛する人と結ばれ、其の身に愛の結晶を宿した其の姿を私はいつも眩しく、そして羨ましく見つめていた。


あの憧れたものに私も──


そう思うとなんと幸せな最中に私はいるのだろうと感慨深くなった。



「…光人、ありがとう」
「ん?何…」

繋がったままの光人を愛おしく見つめながら私は呟く。

「私と出逢ってくれて。私を選んでくれて。私を…家族にしてくれて」
「…」
「これから私が仕えるのは光人と……これから生まれて来てくれる子どもだけよ」
「…朱里」


乾きっ放しだった心がどんどん潤って行く。

其処に差し込んだのは淡くも力強い光だった。


(私は絶対に見失わない)


私自身が掴んだこの光の導くまま、これからも私は前に進んで行くと決意したのだった。








朱に光る
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