運命の恋ってあると思う?


突然降って湧いたような出逢い。

一見偶然の出逢い。

だけど必然だった出逢い。


遥か遠く、昔々から決められていたかも知れないこの出逢いは私に一体何をもたらすのだろうか──?








すっかり正月モードは抜け、いつもの日常を過ごしていたある日の夜、仕事が終わり家路途中にある人気のない公園のベンチに座ってボーッと冬の夜空を眺めていた。

(はぁ…疲れた)

今日も今日とて叱られ三昧の一日だった。 

(本当…私ってダメだなぁ)

短大を卒業して辛うじて就職した会社は私に合っていないのか、失敗ばかりの毎日に身も心も疲れていた。

ジッと座って事務仕事をする事に中々慣れない。

ちいさい時から走り回る事が好きで運動ばかりして来た。

出来れば体が動かせる職種に就きたかった。

でもこのご時世、自分の希望する会社に就職するという事がどれだけ大変なのかを身をもって経験した私にとっては、ようやく拾ってもらった今の会社にはありがたいという気持ちが少なからずあった。

しかしありがたいと思う反面、私の頑張りは若干空回り気味で上手くやろうとすればするほど叱られる結果を招く。

頑張っているつもりだけれど、いつまで経っても其の頑張りは報われない。

(ひょっとしたら仕事、向いていないのかなぁ)

心が折れそうになる度に、私にはもっと別にやれる事があるんじゃないのか──と考えるのだけれど

(其の何かが解らないから困るんだよね)

はぁ、とため息をついて夜空を見つめる。

冬の夜空は清々しい程に冴え冴えとしていて、瞬く星のきらめきが私なんかのちっぽけな悩みをかっさらっていった。

(…よし、さっさと帰ってご飯食べて寝るかな)

今日は金曜日。

明日は待ちに待った休日だ。

週末は早起きして運動をする事に時間を割いていた。

(久しぶりに山、登りに行こうかな)

ひとり暮らしするアパートの近くには観光名所になってしまっている山登りには最適な山があった。

──というか其の山目的で物件を選んだといっていい

座っていたベンチから立ち上がり軽くストレッチをした。

(さぁて、家に帰りますか!)

既に落ち込んでいた気持ちは何処吹く風とばかりに、明日に備えて時間を有効活用する事に切り替えた私は歩き出した。

──其の時

グゥゥゥゥゥ~~ッ

「!」

いきなり聞こえたおかしな音にビクッと体が跳ねた。

(何…今の音…)

キョロキョロと辺りを見渡すけれど怪しいものは何もなかった。

(…気のせい、だったかな)

ドキドキと跳ねている胸を左手で抑え、サッサと家に帰ろうと足を踏み出した瞬間

ググゥゥゥゥゥ~~ッ

「!!」

(気のせいじゃないっ!)

其の何処か聞き覚えのある音が気になり、より慎重に周りを見てみると

「なっ」

先刻まで座っていたベンチの後ろの植え込みの脇に倒れている人がいた。

「ちょ…大丈夫ですか?!」

うつ伏せで倒れているから詳しい状況が解らない。

でも身なりはいい。

多分…男性。

「あの、もしもーし…大丈夫ですか?!」

揺すっていいものかどうか解らなかったので、しばらくは声掛け位しか出来なかった。

でも私の度重なる呼び掛けに其の人は反応しなかった。

(あわわ~ど、どうしよう~~!)


五條 古世美(ゴジョウ コヨミ)20歳。

生まれて初めて行き倒れの人と遭遇、現在パニック中です───

古-イニシエロマンス-恋
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