(う゛ぅぅ~~負けた!)


「…大丈夫?歌也ちゃん」
「ん…平…気」

荒い息を吐きながら上下する胸には龍から受けた赤い刻印が散らばっていた。

(あぁぁ…二日連続でラブホ通いって…恥ずかし過ぎるっ!)

結局あの後、私は龍からの艶やかな誘惑から逃げる事が出来ずに、来た道を戻り駅から繁華街に向かって電車に乗り、昨夜と同じラブホになだれ込んでしまったのだった。

(なんかもう…獣みたいだよ…私たち)

覚えたばかりの快楽行為がすっかり病みつきになってしまい、何度も何度も其の甘い蜜を味わう度にもっともっとと求め合ってしまうのだった。

「…はぁ…足りない…」
「えっ」

龍が隣でボソッと呟いた言葉にギョッとした。

「もっと…いつでも気兼ねなく歌也ちゃんと出来たらいいのに…」
「な…なっ」
「歌也ちゃんもそう思わない?」
「~~~ぅ」
「する度にいちいち電車に乗ってラブホに行かなきゃ出来ないなんて…辛すぎる」
「…」

龍のストレートな言葉にどう答えていいのか戸惑う。

(そりゃ私だって…龍とするの…嫌いじゃ──というより好き…なんだけど)

其れを云っていいのかどうか迷いながらも、確かに龍の云う事は一理あった。

あの家に居る限り自由にしたい時にするという事は不可能かも知れない。

(お父さんと裕翔くんや浬くんがいない時に出来るっていう保証もないし…)

お互い実家暮らしをしているカップルはどうやって事を致しているのか疑問に思ってしまった私だった。




「ふたり暮らし、出来たらいいのに」
「え」

ラブホからの帰り道、電車に揺られている中、龍がボソッと呟いた。

「…同棲、出来たらいいなって」
「…同棲」
「そう。歌也ちゃんとふたりきりで住むの」
「…」

少し照れながら云った龍の言葉に私はほんの少しだけ厭な気持ちになった。

「歌也ちゃん?」
「…」
「なんだか…怒っている?」
「…龍はさ、私とえっちがしたいから同棲したいって思っているの?」
「え」
「あの家じゃ、みんながいるあの家じゃ好きな時にえっちが出来ないから…だからふたり暮らししたいって云っているの?」
「…歌也ちゃん」
「なんだかそんなのって…」

(そんな理由で同棲したいって云う龍が…)

龍がそんな事を考えるなんて…厭だな──と思ってしまった。

王子様の作り方
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