「──という訳で、滞りなくお断りする事が出来ました」
「…」

 改札を出て、自宅までの道のりを手を繋いで歩いている私たち。

龍に三杉さんとの事を話しながら、三杉さんとのこれからの関係を語った瞬間、龍の顔の眉間に皺が寄った。

「いい友人として…付き合う?」
「そう。でも其処に恋愛感情は発生しないから安心してね」
「…はぁ…歌也ちゃんって本当…」
「何?ダメだった?」
「…」

明らかに文句がありそうな認めたくない顔をしている龍の反応を見ていた。

(これは納得いかないって感じなのかな)

そんな事を考えていたけれど

「……解った」
「え」
「其の…み、杉さんとやらは歌也ちゃんの友人……になったという事なんだね」
「…うん」
「じゃあ俺も…譲歩する」
「え」

私の手を握る龍の掌に少し力がこもったと思った。

「歌也ちゃんの友人は俺の友人でもある──と、思う様にする」
「龍…」

(おぉ~てっきりゴネて感情的になると思っていたけれど)

「俺が歌也ちゃんの恋人であるという事には変わりない訳だし」
「…」
「友人が増えるっていうのは…いい事だしね」
「…どうしたの?龍」
「え」
「なんだか…物分かりが良くなっている」
「…」
「てっきり『友人だなんて云っていてもいつ歌也ちゃんを襲ったりするかも知れない危険人物かも知れないじゃないか』ってな感じでゴネて反対すると思っていたのに」
「な…っ、歌也ちゃん、俺を子ども扱いするの、止めて」
「していないわよ──する訳ないじゃない」
「っ!」

そっと握り返した掌が汗ばむ感じがした。

「龍を子ども扱いなんて…出来ない」
「…歌也、ちゃん」

こんな時だと云うのに何故か昨夜の龍との行為が思い出されてしまって気恥ずかしくなった。

「…ありがとう、龍」
「っ」
「私を信じてくれて…大好き」
「~~~歌也ちゃんっ」
「んっ!」

いきなり通り沿いの壁に押し付けられ不意打ちのキスをされた。

「ん、んんっ」
「はぁ…ん、ん」

薄く開いた唇を押しながら龍の熱く湿った舌が進入する。

「ん…ぁ、ん」
「ふ…ん、ん、んっ」

厭らしい水音が響くのを聞きながら恥ずかしいという気持ちがある一方で、この甘い行為がずっと続けばいいと願ってしまう私がいた。

「歌也…ちゃん」
「ん…っ、龍…」

どの位貪られていたか解らない。

でも不意に放された唇がもどかしい余韻に震えていた。

「はぁ…堪らない…」
「え」
「歌也ちゃんとのキス…其れに…蕩けた歌也ちゃんの顔…」
「…」
「そんなの見せられたら…堪らないよ」
「~~~っ!」

密着していた体でふと感じた熱の塊の存在にカァッと体中が熱くなる。

「…歌也ちゃん」
「ま、待って…此処じゃ…」

龍の私を求める眼差しを受けながらも、此処は私が冷静にならなければと思った。

(流されちゃダメ!)

2つ年上の私が暴走する欲望をちゃんと自制しなければいけないと脳内で理性をフル活動させた。

王子様の作り方
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