放課後は卒業文集の会議があるという陽生ちゃんの言葉を受けて私は決意した。

(今日こそは転校生の謎を解く!)

直接対決を決めた私はいつも通り素早く帰り道についた。


(いた!)

相変わらずランドセルを斜めにして歩く後ろ姿を目視して私はつかず離れずの距離感で歩いていた。


やがていつも曲がる角まで来た。

(よし、今日は一緒に曲がる!)

そう思った私の視線の先でいつも通り角を曲がった転校生。

私も少し間を空けて角を曲がった。





(嘘っ!)

私の視線が捉えたのは既に転校生は行き止まりで左に曲がる道に消えて行く処だった。

(もうあんな処まで行ったの?!なんて足の速さっ)

私はなりふり構わず全速力で走って行った。


「はぁはぁはぁ…っ」

行き止まりを左に曲がると直ぐに公園の入り口があり、全体を見渡せるようになっていた。

(あ)

辛うじてトイレに入る転校生の姿を捉える事が出来た。

(トイレに入って行った!)

今日は其の現場を見る事が出来た。

(やっぱりトイレに入っていたんだ)

あの日もそうだったんじゃないか──と思ったけれど

(でも…あの時は30分しても出てこなかったよね)

しかもトイレに入るなら何故公園のトイレに入るのだろうという疑問。

(すぐに家じゃない…我慢出来ないのかな)

トイレに入った事を確認出来てもやっぱり謎は解けないまま。

(まぁいいや、出て来たら訊いてみよう)

そう思って私は公園入口近くのベンチに腰掛けた。


しかし


(えぇ…なんでぇ?)

あれからもう15分以上は経っているのに転校生はトイレから出てこない。

(なんで?なんでいつもそんなに長いのよ)

初めは焦れて怒れて来た気持ちが、徐々に心配へと変化して行った。

(まさか…とは思うけれど…倒れていないでしょうね)

そんな不安からトイレの近くまで行ってみた。

でもやっぱり中に入る事も、声を掛ける事も躊躇われてしまってウロウロするばかり。

(どうしよう…此処にずっといても…)

生憎と今日は習い事のピアノ教室があった。

あと数十分後には家を出なければ遅刻になってしまう。


(~~うぅ~)

どうして私がこんなにモヤモヤしなければいけないのだろうと思ったら、自然と足は家に向かって歩き出していた。


(多分…大丈夫だよね?前もそうだったなら…きっと…)

後ろ髪を引かれる気持ちはあったけれど、とりあえず私は其の場から立ち去ったのだった。

ままごとマリッジ
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