陽生ちゃんと一緒に帰ろうと思ったけれど、生憎と児童会の集まりがあるとかで一緒には帰れなかった。

陽生ちゃんは児童会の会長になってから放課後は何かと忙しくなった。

其のせいで一緒に帰れる回数も少なくなった。

 

(はぁ…今日もひとりか)

帰る方向が一緒の仲のいい子は陽生ちゃんくらいしかいなかった。

丁度私と同い年の子どもは陽生ちゃんと──

(あ)

少し前に黒いランドセルが見えた。

片方だけ腕を通して斜めになっているランドセルがユラユラ揺れている。

(あれって…転校生)

そうか、転校生の家は私の家と同じ方向にあったなと思い出した。

(…でも朝は一緒にならないんだよね)

登校時間が一緒ぐらいなら見かけるだろうと思っていたけれど、其れがなかったからすっかり忘れていた。

何となく一定の距離感を保ったまま黙々と歩く。

やがて私が認識している転校生の家が間近に迫った其の時

(え)

転校生はいきなり曲がり角を右に曲がった。

(なんで?家まで直進のはずなのに)

気になりつつも曲がり角に来た私はチラッと横に視線を向けた。

転校生の後姿が小さく見えた。

(あれ?あの家だと思っていたけど…違ったのかな)

そう思いながら私は其のまま直進して転校生の家だと思っていた一軒家の門を見た。

其処には【十六澤】と書かれた表札が掲げられていた。

(やっぱり!此処が家なんじゃない)

そう確認したけれど、転校生は自宅手前の角で曲がって行った。

(あの先にあるのって……公園、だよね)

あの角の先は行き止まりになっていて、左に曲がると児童公園に突き当たる。

狭い道で車が進入出来ないからちいさな子どもが遊ぶにはもってこいの場所だった。


(公園で遊ぶのかな。だったら一度家に帰ってランドセルを置いてから遊びに行けばいいのに)

そんな事を考えながら私は自宅に帰ったのだった。

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