しがみつく様に龍の体に抱き付いていた私の耳元に低い声が届いた。 

「…あのね、俺も…そうだよ」
「…え」

龍が囁く様に吐き出した言葉に思わず顔を上げた。

「俺も…厭な気持ちになっていたよ」
「…なんで?」
「歌也ちゃんが…俺以外の男としたって事に」
「!」

一瞬ゾクッと肌が粟立つような冷たい眼差しを向けられた。

(あ…もしかして)

「歌也ちゃん、付き合っていた男がいたんだよね。前に武也さんからチラッと訊いたんだけど」
「えっ、お父さんから?!」
「うん…其の男が歌也ちゃんを酷いフリ方したから歌也ちゃんは恋愛に臆病になっているって」
「…」

(お父さん…私の知らない処で色々話しているんじゃないわよ!)

一瞬父の事が怒れてしまったけれど、とりあえず今は其れを考える時ではなくて──

「付き合っていたっていう事は…つまり…」
「……して、ないよ」
「───え」
「私…彼とは…していない」
「…」
「キス…はしたけど…初めての…」
「…え」
「~~ファーストキスは彼に捧げたけど…か、体はまだ誰にも捧げていないから!」
「…」

今度は私の方が恥ずかしい告白をした。

そう、貴志山くんは初めて付き合った人で、初めてキスをした人。

其れ以上の関係に何度も発展しそうになったけれど、其れを怖がった私の決意待ちの間に父の事で揉めて其のまま別れてしまったのだ。

「私…処女…だから」
「~~~歌也ちゃんっ」
「あっ」

龍に強く抱きしめられて其のまま唇を奪われた。

「んんっ」
「ん…はぁ」

押し付けられた唇が龍の舌でこじ開けられ、其のまま貪る様に深く繋がった。

「ん、んんっ…」
「はぁ…んっんっ」

口内をねっとりと激しく冒されて私は体中の力が抜けてしまった。

そんな私を龍は優しくベッドに押し倒した。

「…歌也ちゃん」
「はぁ…ぁ…龍…」

放れた唇が熱をもってジンジンと痺れていた。

熱っぽく見つめる龍の長い指が私の着衣を乱す。

「あ…りゅ、龍…シャワー」
「そんなの…待てないよ」
「っ」

開(ハダ)けた胸を龍の舌が這った。

「あっ」
「歌也ちゃん…甘い」
「んっ」

ねっとりと舐め上げる生温く柔らかな感触が体中をゾクゾクと締め上げる。

私を快楽の底に引きずり込みながら龍も着ていたものを脱ぎ捨てた。

(! 龍の体…彫刻みたい)

服の上からは解らなかった筋肉質の引き締まった胸板や割れている腹筋に一層胸が高鳴った。

(やだ…どうしよう~~)

龍から与えられる触覚による悦楽。

そして視覚的に与えられる官能にクラクラしてしまって仕方がなかった。

王子様の作り方
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