どうして龍と話していると貴志山くんとの事を思い出すのか解った瞬間、ゾクッと心が震えた。

(あぁ…私……好き、なんだ)

もうとっくに龍の事が好きだから──貴志山くんの事を好きになった様に龍の事が好きだから…

だから貴志山くんの時と同じような末路を行くかも知れない恐怖から色々云い訳をして恋している事を打ち消したかったんだ。


好きになって…


好き過ぎておかしくなってしまう前に…


其の好きは打ち消さなくてはいけないと──無意識に心が防御していた。


「歌也ちゃん…俺、絶対歌也ちゃんを放さないよ」
「…」
「放してって云われても──絶対手放すもんか」
「…りゅ…」


『簡単よぉ、愛なんて付き合っている内に育って行くものなんだから』

(…あ)

『愛されているんだからさ、ドップリ愛されればいいのに』

(涼花…)

『歌也は頭で恋愛考え過ぎ。もっと感情で突っ走っていいと思うけどねぇ』


私の背中を後押ししたのは涼花の言葉だった。


(私…私は──)


「──して」
「歌也ちゃん…?」
「龍…私を……私を…お姫様に…して」
「!」
「…うんと甘やかされたい…愛されたい…私だけ…私だけを一生」
「っ、歌也ちゃん!」

其れまでよりも一層力強く抱きしめられ、そして不意に放れた体にどうしたのかと顔を見上げると

「っ!」
「ん」

間近に迫った龍の唇は其のまま私の唇に吸い込まれていた。

「ふっ」
「ん…ん」

強く押し付けられた唇が何度もついたり放れたりする。

そして薄く開いた唇を割って龍の熱が滑り込んで激しく貪られた。

「ん…り、龍…」

余りの激しさに苦しくなって隙をついて言葉を発する。

少し放れた龍の濡れた唇を見て何故か私の奥底がフルッと粟立った。

「…歌也ちゃん」

今まで見た事がない龍の艶っぽい表情にもどかしい気持ちが湧いてくる。

(やだ…ど、どうしよう…)

このままじゃキスだけでは物足りなくなってしまう──そんな危機感を覚えた私は、名残惜しさを感じつつも龍から少し距離を取った。

だけど

「どうして放れるの」
「!」

龍は私の腕を取り、また力強く抱きかかえた。

「歌也ちゃん」
「ちょ、ちょっと龍…」
「何、歌也ちゃんは俺から放れたいの?」
「そんなんじゃ…」
「だったら───いいよね?」
「っ!」

不意に首筋に熱の塊が押し付けられた。

強く吸われた其の痛気持ちいい甘い痺れに恥ずかしい場所がキュゥと震えた。

王子様の作り方
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