「いい加減見た目で子ども扱いするの、止めてくれませんか」
「…」
「俺、ちゃんと大人だし、こういう事も其れなりにこなして来ているんです」
「っ」

少し屈んだ九重くんの顔が私の近くに寄った。

そして其のまま流れる様な動作でお互いの唇が触れ合った。

(キス…!)

其れは今までに何度もして来た行為だった。

だけど九重くんとのキスは今までに感じた事のない衝撃が走った。

「ふっ」
「ん」

何度も重なる唇。

薄っすら開けた目に映るのは歳若い男の子。

(なんだか…いけない事をしているみたい)

10代の男の子とこんな厭らしいキスをしているなんてドキドキしてしまう。

其れに

(な、なんか…キス、上手い?)

 ねっとりと責められるキスの感触がどうにも色っぽくて、私はあっという間に理性の箍が外れてしまった。

「こ、九重く…」
「…其の気になった?」
「…」

キスの合間に見つめ合った九重くんは完全に男の人になっていた。

(こんな…はずじゃ…)

九重くんなんて恋愛対象じゃなかった。

見た目はまるっきり子どもだし、性格だって大概子どもっぽい。

(其れに同じ会社の人だし)


私は社内恋愛はしないと決めていたのに───


なのに


「佐東、さん」
「九重く…んっ」

彼から告白はされた。

だけど「付き合う」と承知はしていない。

そんな相手と私はセックスしてしまった。


彼の見た目とは全然違う大人な誘惑に、まんまと私は引きずり落とされてしまった。


そしてこの事により、何故今までの交際が長続きしなかったのか──其の理由を知る事になるのだった。

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