「告白されたぁ?」
「うん」
「はぁ~やっぱ杏奈ってヤバいね」
「何よ、ヤバいって」 

昼休憩の社食でいつもと変わらず志麻子とのランチトークに花が咲く。

「いや、でもさ既に結構な有名人だよ、九重くん」
「有名人って?」
「社会見学している中学生がいるって」
「あははっ、非道いなぁ」
「だってあれ、何処からどう見ても中学生でしょう?22だなんて信じらんない」
「まぁ…私もそう思ったんだけどね」
「で?どうですか、杏奈選手」
「何よ、茶化して」
「中学生まで虜にしてしまう其の美貌についてひと言」
「志麻子、悪乗りし過ぎ!どうにもこうにもないわよ」
「あ~流石の杏奈も中学生とは付き合えないですか」
「…」
「そうだよねーどう見たって不純異性交遊にしかならないよね」
「…」

(まぁ、志麻子の云う事も一理ある)


九重くんから告白されて即お断りした私。

普段なら告白されたらとりあえず付き合うってパターンだったのに。

(付き合ってセックスして其れで其の人の事を好きになれるかどうか判断して来た)

其の今までの恋愛パターンが九重くんには使えなかった。

幾ら同い年の22歳だと云われても、あの見た目ではそういう行為に及ぶ事に罪悪感が湧く。


「まぁ、適当にあしらっておきなよ。九重くんだって一目惚れして告白したって事は杏奈の見た目だけで好きになったって軽いノリなんだろうし」
「…だよね」

(そうだといいな)

そう、思いたかった。






「佐東さん」
「はい、なんですか」
「この備品って毎年決まった数を入荷しているんですか?」
「えぇ。年間予算が組まれているから其の範囲内で数が決められています」
「でも毎年結構な在庫が出ていますよね」
「…あぁ、そうですね。いつか使う時があるから温存しているって事らしいです」
「いつか使うって──此処数年、使用数は減っていますよ」
「…」
「こういう細かい数字も見直して予算編成組み直した方が良くないですか」
「…私の一存では決められないので課長に相談してみますね」
「はい、よろしくお願いします」
「…」

(ちょっと驚いた)

九重くんに仕事を教え始めてから数日。

最初はいちいち

「なるほど」
「そうなんですね」

と私が教える事に頷き仕事の流れを覚えるのに必死だった彼が、一通り教え終わった処で細かい指摘や指示を仰ぐ発言が多くなった。


ただ云われた事をこなすだけのイエスマンかと思っていたけれど、意外と仕事が出来る子なのかという印象を持ち始めた私だった。

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