大体が王の相手はどこぞの姫君か王家に有益な身分の高い家の娘と決まっていた。

恋愛結婚など認められない身分、其れが王というものだった。

そうなると王の結婚は政略結婚──つまりは見合い結婚となる。


婚姻と恋愛は別物。

故に王は側室を持つ事が赦されていた。


バルダーニとメナムの様に政略結婚でありながらもお互いが好き合った恋愛結婚はまさに奇跡の様なものだった。

だからこそバルダーニは今までの王室に蔓延るありとあらゆる因習を少しずつ廃し改めたいと思っていた。


王の妃は王自身が決めればいい。

本当に愛する者と結ばれれば側室など持つ必要がなくなる。

例え妃となる者が王家にそぐわぬ身分だったとしても其の相手次第では認めてもいいと思った。

其れはバルダーニが真に愛する事の素晴らしさを知った故の英断だった。

(まずはアメリアで実証させなければ)

用意した婿候補の3人の内のひとりを選ぶのが最善だと思いつつも、もし万が一アメリアが3人の中の誰も選ばず、アメリア自身が選んだ相手を連れて来た時は──

其の時は其の相手をアメリアの夫として認める事が出来るのだろうか?

(まぁ、其れは相手次第だな)

「…あなた」
「! あぁ…すまない」

押し倒したメナムがもどかしい喘ぎ声を発している。

そんな声を出させているのは自分なのに思わず気がそぞろになり行為に身が入っていなかった事を詫びた。

「おれの愛しい君。今夜もおれのために其の身も心も捧げてくれ」
「えぇ…わたしの全てをあなたに捧げます」


今宵も又、深くて濃厚な愛の営みをたっぷりと堪能したふたりだった──

Schwarz Mythos
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