昔から男の子に不自由した事がなかった。 

年頃になってからは『好きだ』と告白をされて付き合ってばかりいた。

自分が誰かを好きになる前に好きになってくれた人がいたからわざわざ探す必要もなかった。

例え直ぐにフラれても直ぐ次の人が来た。

絶え間なく続くそんな関係に、私は胡坐をかいていたのかも知れない。

段々歳を取って来て、以前よりも傍にいてくれる人が少なくなって来た事が無性に怖いと感じるようになった。

いつになったら私はたったひとりの人と幸せになれるのだろうと…

ようやくそんな事を考えるようになったのだった──


「あなたの事が好きだから…だからあなたの事を好きになってもいい権利をください!」
「…」

ふたりきりの店内に私の必死の告白が続く。

勿論、こんな事は初めてだった。

私が

私の方が必死に求める様な恋は初めてだった。

どうやって告白すれば上手く行くのなんて事も知らなくて、ただ思った事を口に出していた。

「……あの」

モップを持ったまま微動だにしない店長を見て不安になって来た。

まさか上手く行かないなんて事が想像が出来なくて、他に何を云ったらOKの返事をもらえるのか考えていると

「は」
「…え」
「は…ははははっ、何、其の変な告白!」
「…」

(変?変って…どの辺が??)

突然笑い出した店長に戸惑う。

「好きになってもいい権利って何?そんな事初めて云われた」
「…」
「謙虚というか、堅いというか…積極的なんだか消極的なんだか」
「…」
「──自慢じゃないけど俺、結構モテるんだよね」
「…はい」

(そりゃそうでしょうね)

私が好きになるくらいだからモテるのだろうと思う。

「告白も結構されるんだよね」
「…はい」

(自慢?自慢しているの?)

──というか

(なんだか…私と似た人種?)

店長の言葉が何故か自分と重なる事が多くて今更ながら厭な感じがして来た。

「告白して来た子が可愛いなと思ったら付き合って来た。付き合っていれば其の内好きになるだろうと思っていたから」
「…」
「でも──どの子も長続きしないんだよね」
「…」

(やっぱり!)

この人は私と同じような恋愛受け身体質の人だった。

SOULAGER
★ランキングサイトに参加しています。
其々1ポチずついただけると執筆の糧になります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村