「お待たせしました」 

涼やかな声と共に私の目の前にミルクティーが置かれた。

「…ありがとうございます」

私がお礼を云うと店員はまたにこやかな笑みを浮かべ立ち去った。

(先刻はちゃんと見なかったけど)

周りの風景が私の目に映って来た。

こじんまりとした店内。

座席はカウンター席5席とテーブル席が10席ほど。

木がふんだんに使われている少しカントリー風のシンプルな内装は好ましかった。

(あ)

カウンター内、注文を取りに来た店員がいる奥の棚に膨大な数のカップが並べられていた。

(凄い数…なんで)

そんな事を思った時、後ろの席から女の子たちの会話が聞こえて来た。

「きゃあ、あたしって薔薇のイメージなの?」
「あぁ、確かに棘のある処なんてピッタリかも」
「はぁ?違うってーの。そういうあんたは何よ、其れ」
「何ってチェック柄だけど」
「其れってチェック柄好きから来てるんじゃないの?」
「え、なんで?なんでチェック柄が好きだって知ってるのよ」
「其れじゃない?スマホカバー」
「えぇー物理的イメージかぁ~残念」

(イメージ?)

訳の解らない会話に首を捻る。

何気ない仕草で後ろを振り返り見てみると、ふたりはカップを見ながら会話していた。

(カップ?イメージ?)

ふたりの会話を受けて私も手元のカップを見てみた。

すると

(これって…ピーターラビット?)

ミルクティーの入ったカップには有名なうさぎの絵が描かれていた。

(…ピーターラビット…うさぎ………えっ!)

其処でハッと気が付いた。

(もしかしてこのお店って…)

私は携帯を取り出してメールを打った。


【芳香、SOULAGERってカフェ、知っている?】


送信からしばらくして返信があった。


【知ってるよ。イケメン店長がいる飲み物専門のカフェでしょう?】


(イケメン?)

チラッと店内を見ると、いるのはカウンター内に先ほど対応した店員がひとり。

(もしかしてあの人、店長なの?!)

とても若かったからてっきりアルバイト店員か何かかと思った。

そしてイケメン、という言葉を踏まえて今一度じっくり見てみれば

(…確かに…顔、いいかも…)

つい先ほどフラれたばかりで意識していなかったけれど、一度そういう目で見てしまったら意識せずにはいられなくなっていた。

SOULAGER
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