(全ては私が嘘をついていたから)

茫然としていた頭の中にジワジワと湧いて出て来る様々な現実。

私は先輩にフラれてしまった。

今日から先輩と一緒に住めると思っていたのに。

甘えん坊の私が自立して自活する事を喜んでくれた両親。

今更帰る訳には行かない。

同棲するから住む処なんて探していなかった。


(………住む、処…?)


「! そうだ、住む処っ」

先輩を怒らせ、突然フラれてしまった私はようやく事の重要事項に気が付いた。

そしていつまでも呆けてはいられないと思い、私は気持ちを奮い起こして神社から飛び出して行った。






「今日から…ですか?」
「はい」

人に訊きながら見つけて入ったちいさな不動産屋さんで部屋を探していた。

「希望家賃がこの金額で今日から直ぐに、と云われてもねぇ」

対応してくれた店主らしきおじさんは苦虫を潰した様な顔をしていた。

(そりゃそうだよね…いきなり今日から住みたいだなんて)

非常識にもほどがあるというのは素人の私にだって解る。

(どうしよう…今日一晩ぐらいならホテルとかに泊まれる…かな)

見つからなければそういう事も考えなければいけない。

だけど私は貧乏学生。

なるべく親に負担を掛けたくないと大学の費用以外はなんとか自分で賄おうと思っていた。

(しかし手持ちが心細過ぎる)

同棲するという安易な考えしか持たずに田舎から出て来た私にとっては、何もかもが想定外の出来事だったのだ。

タタリ荘のモノノケ
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