私の性格上、解らない事は一刻も早く解決したい。

解決してスッキリしたいという気持ちがとても大きかったのだけれど…

(話をする機会も時間もないっ)

今朝の会話から、もう今日は龍ノ介くんと話す機会はないだろうと思った。

父の代わりに喫茶店を切り盛りして、そして夜は仕事絡みの会食。

(あぁ…また一晩悩むのかぁ)

陰鬱な気持ちのまま大学に着くと、直ぐに声を掛けられた。

「あぁ、来た来た、歌也ぁ」
「…涼花」

大学の正門前にいた涼花が相変わらずの華やかオーラを振りまいて近寄って来た。

(これで彼氏いないって…神様の意地悪っ)

よく解らない憤りを何の関係もない神様にぶつけてしまった。

「歌也、今日夕方から時間あるぅ?」
「え、何突然」
「いいから、あるのないの?」
「今日は…たまたま、奇跡的に時間、あるけど」
「やったぁ、じゃあ今日決行ね」
「何が」
「だからぁ、合コン♪」
「はぁ?!ってだから合コンじゃないってば!人数配分がおかしいでしょうが」
「だからぁ、わたしも参加するの」
「へ?」
「2対2なら合コンになるんでしょうぉ?だからわたしを入れて合コン、完成」
「…あのねぇ、涼花は初めから彼氏作ろうと思っていないじゃない」
「そうだけどぉ、頭数だけ揃えるっていうのも合コンではあるあるみたいよ」
「…」

多分、私がどんなに駄々を捏ねて厭がっても、涼花はのらりくらりとかわしてしまうのだろうと思った。

(えぇ、もう長い付き合いですからね)

しばらく応戦していたが、結局は涼花の馬鹿らしい策略に乗ってしまう事になったのだった。







「初めまして、三杉です」
「どうもー大鳥隆文でっす」
「は、初めまして…高科です」
「はぁい、田仲涼花でっす」
「ははは、涼花ちゃんは知っているよー今更自己紹介いらないって」
「まぁまぁ、こういうのは形からってね」

「…」

うだうだ考えている内にあっという間に合コン紛いの変な集まりが始まっていた。

しかし大学近くの居酒屋で行われたこの変な集まりは、私に意外な出逢いをもたらした。



「もぉ、相変わらず鳥っちは変な事ばっかり云うんだからぁ」
「いやいや、本当だって!この間の即売会で会った奴の云う事だけど──」

(なんかつまらない)

2対2で始まった飲み会だったけれど、私に紹介するといったふたりの男性の内のひとり、大鳥さんはやたら涼花と趣味の話で盛り上がっていた。

訊けば大鳥さんとはコミケの会場で知り合い意気投合して仲良くなった人だという。

私達よりひとつ年上の大学生で趣味で描いている同人サークルはそこそこ人気なんだそうだ。

そんな彼から涼花は『彼氏募集中の女の子がいたら紹介して』と云われていたらしい。

性格がいいのは保証するからという涼花のおススメで此処にいるはずなのに…

(なんか涼花と息ピッタリなんですけど)

先刻からやたらこのふたりの異様な盛り上がりが目について仕方がない。

三杯目のアルコールを空けて、次に何を頼もうかとメニューに手を伸ばした時

「そろそろノンアルコールにしたら?」
「え」

向かい側に座っていたと思った人がいつの間にか私の隣に移動していた。

「顔、相当赤いよ?此処等で少しクールダウンした方がいい」
「…あ」

(この人は確か…)

大鳥さんの印象が余りにも大きくて霞んでしまっていたけれど、今この飲み会の席にはもうひとり男性がいたのだ。

王子様の作り方
★ランキングサイトに参加しています。
其々1ポチずついただけると執筆の糧になります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村