いつも通りの賑やかな夕食を終え、私はキッチンで後片付けをしていた。 

シンクで食器を洗っていると、テーブルに置いてあった携帯が鳴った。

私は慌てて手を濯ぎ、携帯を手に取った。


「もしもし」

『歌也ぁ?わたし。今いい?』


電話は涼花からだった。


「いいよ、どうしたの」

『あのね、昼間云っていた合コンの件、詳しい事決まったからお報せぇ』

「え、合コンって…冗談じゃなかったの?」

『冗談じゃないわよぅ!本気も本気。このわたしがこれっていういい男を集めたから絶対に行くのよ!』

「そんなにいい男なら涼花が付き合えばいいのに」

『何気持ち悪い事云ってんのよ!男は観賞用よぉ、恋愛対象なんかじゃないんだから』

「…」

(涼花っモテるくせにいつもそう云って誰とも付き合わないんだよね)

涼花はリアルな恋愛に興味がないらしく、今までもっぱらBL関連の事でときめいて来た残念な美女だった。

『兎に角、いい?紹介する男は選りすぐりのふたり。でも歌也の方に主導権があるからね』

「…ちょっと、待って」

(今、凄く変な事云わなかった?)

『なぁに』

「確認するけど…合コン、なんだよね?」

『そうだよぉ』

「男性が何人で女性が何人集まるの?」

『はぁ?だーかーらぁ、男ふたりに歌也ひとりだってば』

「! ちょ…其れって合コンじゃないよ!ただのお見合いじゃないっ」

『えぇー違うよ。だってお見合いって1対1でしょう?これは男がふたりいるから──』

「そういう問題じゃなくて、私がひとりだっていう時点で合コンの定義に当てはまらないから!」

『んもぉ細かいなぁ~じゃあお見合いね、はい、これでいい?』

「いい訳ないでしょう!厭だからね、私、行かないからね!」

『はぁ、何云ってんのよ、我儘すぎ、歌也』

「煩い!じゃあね」

私は躊躇いなく通話をぶっちぎった。


(もう、なんなのよ涼花ったら)

こんな強硬手段を取るタイプじゃなかったのに、どうして今回に限ってと考えるけれど

(…はぁ…悪いのは私か)

事情を知る涼花の前で、今日みたいな態度を取れば心配にもなるのだろう。

私が早々に過去の恋を清算出来るように躍起になってくれる親友の気持ちは解っているつもりだ。

(でもだからといってお、お見合いみたいなのは!)

やる事が極端だなとため息をつきながら洗い物の続きをしようとキッチンに視線を移すと其処には龍ノ介くんがいた。

「え、龍ノ介くん?」
「…」

彼は黙って濯ぎ終わっていた食器を布巾で拭いていた。

王子様の作り方
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