「裕翔、浬、雑誌取材のオファーが来たぞ」 
「え、本当?!なんて雑誌?」
「Ani-Love」
「アニラヴ…訊いた事ないな」
「浬知らないの?アニラヴ、有名なアニメ雑誌じゃん」
「アニメ?…なんでそんな雑誌の取材が」
「おまえらみたいなBL臭漂うアイドルは一部の属性に受けるからだ」
「BL臭って…属性って」
「確かに。宣伝の方向性は間違っていないかもね」
「歌也さん?」

夕食時の父たちの会話に思わず割って入ってしまった。

「お父さんが作ろうとしているアイドルっていわゆるお母さんみたいな腐女子たちメインに受けるのを狙っているんでしょう?」
「まぁ、其ればかりじゃないけどな。とっかかりは其処だ」
「アニメファン…ですか?」
「アニメファンじゃないよ、腐女子だよ」

裕翔くんは父のやろうとしている事の方向性が解っているのか、いまいち解らないという顔をしている浬くんに説明していた。

(そうなんだよね…)

今の時代はBLと呼ばれるジャンルがあらゆる処で注目され盛り上がっている。

ごく普通の漫画やアニメなのに、其処に登場する男の子たちを妄想でカップリングさせて勝手にBL仕様にしてしまうというジャンルが盛んなのだ。

だったら最初から既にBL仕様されているアイドルを出せば、其の手の人たちには受けるのではないかという算段だ。

(まぁ、実際は裕翔くんと浬くんは付き合っていないんだけれど)

ふたりとも同性が恋愛対象ではあるけれど、何故か裕翔くんの好きなタイプと浬くんの好きなタイプは異なっているらしい。

(詳しくは知らないんだけれどね)

未だにわいわいやっている三人を横目にふと視界に入ったもうひとりを見て「あ」と声が出てしまった。

「なんだ、歌也」
「ねぇ、龍ノ介くんは?」

私の発した声で三人の視線は龍ノ介くんに注がれた。

「其の取材って裕翔くんと浬くんだけなの?龍ノ介くんの名前、出ていなかったけれど」
「あぁ、龍は受けない」
「どうして?」
「龍はな───シークレットだからだ」
「…は?」

父の言葉に「?」マークが飛び交う。

「龍ちゃんがシークレット!カッコいいなぁー!」
「裕翔、はしゃぎ過ぎ」

裕翔くんと浬くんは相変わらず盛り上がり係と宥める係と関係性がはっきりしていた。

「龍はユニットデビューが決まってから公表するんだ」
「なんで?」
「なんでって…そういう戦略なんだよ」
「戦略…」

いまいち父の考えている事は解らないけれど

(シークレットねぇ…隠しキャラ的な事なのかな)

色々考えている私を余所に龍ノ介くんは特に気に留める事もなく黙々と食事を続けていた。

(まぁ、積極的に前に出るタイプじゃなさそうだからそういう性格に合わせて売り出そうとしているのかな)

なんだか私まで裕翔くんたちのユニットデビューのあれこれを考えてしまうのだった。

王子様の作り方
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