「あの…龍ノ介、くんはコーヒーよりも紅茶がいい?」
「…え」
「ほら、ロシアってロシアンティーとかあるじゃない?もしかしたらって」
「…あぁ、はい。紅茶がいいです」
「了解。ジャム…何があったかな」
「…」

思い切って訊いてみてよかったと思いながら私はコーヒーと紅茶の用意をした。

そんな私の様子を彼がジッと見ていた事に勿論私は気が付いていなかった──








「ただいまぁ」
「ただいま帰りました」

陽が暮れた頃、ふたつの声が玄関から聞こえた。

「おかえりなさい」
「歌也ちゃん~お腹空いたぁ」
「こら、裕翔、開口一番が其れか」
「だって今日のレッスンすげーハードだったもん、ずっと腹空いててさぁ」
「だからって開口一番に──」
「まぁまぁ、浬くん、裕翔くんのこれは今に始まった事じゃないから」
「…すみません、歌也さん」

(本当対照的なふたりだな)

このふたりが父が手掛けるアイドルユニットのメンバーで手束 裕翔(テヅカ ユウト)と古市 浬(フルイチ カイリ)

共に17歳の現役高校生なので私よりも年下という事になる。

「ねぇねぇ、新しい子、来た?」
「え…あ、うん。来たよ」
「どんな子?イケメン?カッコいい?」
「うん…カッコいい」
「本当?!やったー僕、会いに行ってくる!部屋にいるんだよね?」
「あ、おい、裕翔、そんな突然──」

浬くんが止める間もなく駆け出して行った裕翔くんはあっという間にリビングからいなくなってしまった。

「全く…あいつは無鉄砲過ぎる」
「ふふっ、元気だよね、裕翔くん」
「そう、ですね」
「浬くんも見て来たら?同じグループで活動する事になるんだし挨拶がてら」
「あ…はい。では失礼して行って来ます」
「ご飯の支度が出来たら呼ぶね」
「はい」

私の言葉を受けて浬くんもそそくさと階段を上がって行った。

(はぁ…本当勿体ない…)

可愛い系の元気イケメンの裕翔くんと知的で物静かなクール系イケメンの浬くん。

父同様ふたりとも恋愛対象は男性に限る──な人たちなのだった。

王子様の作り方
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