「おぉーい、歌也、早く早く」
「~~もう、何なのよ!」

回想くらいゆっくりさせてよ!と憤りながらもドスドスと階段を下りて行くと

(えっ)

「ほら、歌也。この子が今度家で世話する事になった龍ノ介。歳は18」
「…初めまして、八柳 龍ノ介です」

(この人が…やつやなぎ…りゅうのすけ?)


新しく改築した三階建ての我が家に居候する人がいると訊いた時は驚いた。

だけど其れは父の長年の野望に織り込み済みの事だったから仕方がなく了承した。

そして居候する人の名前は前もって訊いていたからある程度心の準備が出来ていた筈…

なのに…


「いい男だろう~歌也。惚れるなよ」
「っ!ほ、惚れないわよ!!」

「…」

父の見え透いたからかいに思わず乗ってしまい大きな声で叫んでしまった。

そんな私を件(クダン)の彼はジッと見つめていた。

(う゛っ!ま…眩しいっ)


龍ノ介──なんて名前だからてっきり硬派なおカタい日本人だと思っていた。

なのに今、私の目に前にいる其の人はとても純粋な日本人とは思えない程に彫の深いお顔立ちの、まさに外国の王子様張りのイケメンだった!!


「な…なんで龍ノ介…って」
「…え」
「あっ、いえ!」

思わず彼に向かって失礼な事を云いそうになり慌てて口を掌で抑えた。

だけど彼はこういう場面に慣れているのか、淡々と応えてくれた。

「…俺、父親がロシア人で母親が日本人のハーフ。父親が日本オタクで俺の名前、なんかのアニメのキャラの名前からつけたって」
「…ハーフ」

成程、と変に納得しつつも、其の造形から流暢な日本語が語られる状況が少し不思議だなと思った。


「龍は日本生まれの日本育ちだから姿こそアレだが心は生粋の日本人だから」
「そ、そっか」

父のフォローが入り彼に対してのファーストインパクトは徐々に落ち着いて来た。


そして私への紹介が終わり、父と彼が何やら話し始めたのを横目で見ながらそっとため息をついた。

(あ~あ、勿体ないなぁ…)

父のお墨付きの男の子ということは…そういう人なのだろうと思い残念な気持ちでいっぱいになった私だった。

王子様の作り方
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