ほんの数時間前に味わった快楽を再び薫さんの部屋で味わわされていた。


「薫…さん」
「ん、ルイカ」

少し痛みの残っている私の中は、其れでも薫さんのモノをグイグイと飲み込んで恥ずかしい音を響かせていた。

「あっ…も、もぅ…んっ」
「ん、んっ…あっ、はぁ」


シコシコと振られていた薫さんの腰の動きは止まり、サァッと鳥肌を立てて私をギュッと抱きしめた。


昨日の今日で、こんなに短い時間で覚えたてのセックスをする事が恥ずかしいなと思いながらも

(でもやっぱり薫さんとこうするの…好き、かも)

体全身で薫さんを受け入れ、感じ、温もりを知ると益々放れ難くなってしまうのだった。










「ねぇ、ルイカ。ふたりで暮らさない?」
「え」

行為を終え、服を身に着けているとベッドに横たわっている薫さんが云った。

「僕、いつでも気兼ねなくルイカとイチャイチャ出来る環境に身を置きたい」
「イチャイチャって…薫さん」
「其れに…ルイカには僕の仕事を手伝ってもらいたいって気持ちがあるんだ」
「えっ」

薫さんから突然云われた言葉に驚く。

「実は僕のネットショップ、少しずつだけど評判になって来ていて注文数も増えて来ているんだ。其れでネットだけじゃなく実際にショップを構えたらどうかって話も舞い込んで来ていて、其処ら辺ちょっと考えていたんだよね」
「凄いですね、薫さん!あ、でも納得出来ます。薫さんの洋服、凄く可愛いですもん。絶対着たいって思う服ですから」
「ありがとう。でね、そういう事だから今直ぐにでも戦力になるスタッフが欲しいなと思っていたんだよね」
「其れが…私?」
「うん。ルイカ、手先が器用だし裁縫の基本が出来ているからミシンだって直ぐに扱えるようになると思う。そして何よりもルイカが仕事を手伝ってくれたら僕としてはいつでもルイカと一緒に居られるという最高の環境になるんだけど」
「一緒に…」
「そう、常に、ずっと、いつまでも」
「…」

薫さんから紡がれる言葉に私はドキドキと胸が高鳴って、其れと共にジワジワと何ともいえない幸福感が湧き上がって来た。

(好きな人といつも一緒に居て、傍で同じ仕事をして)

其れってなんて素敵な事なんだろうと思った。

「ねぇ、どうかな?ちょっと前向きに考えてみない?」
「あの…私としては其のお話、凄く嬉しいです」
「本当?」
「本当です。私も薫さんといつでも一緒に居たいし、薫さんのお仕事、凄くやりがいがあって…もっとやってみたいなって思います」
「じゃあ──」
「でも」
「何?」

私は逸る気持ちを一旦落ち着け、ハァと息を吐いた。

「このお話って私や薫さんだけでは決められないんじゃないんでしょうか?」
「…」
「私も薫さんも今はパーツモデルの会社の社員として雇われている身であって、特に私は家政婦としての仕事が始まったばかりで…そんな短期間で仕事の全てを放り出して此処から出て行くというのは非常識なんじゃないかと思うんです」
「…ルイカって真面目だね」
「え」
「目先の愉しさに捕らわれずに、全体の事を見回してちゃんとどう処理するのがいいのか考えている常識人って事。厭味じゃないよ?僕にはない能力だからすごく尊敬する」
「薫さん」
「でも…そうだね、ルイカのいうとおりかも。とりあえず蒼さんと樹に話して納得してもらわないと色んな事を決められないって事だね」
「はい。私の気持ちは決まっていますから」
「…ルイカ」

ジッとお互いを見つめ、吸い込まれる様に唇を重ねた。

「んっ」
「…っ」

重ねた瞬間から深くなるキスを受けて私は着ていた服をまた肌蹴させられた。

「あっ、薫さん…もう」
「ルイカが火を点けたんだよ」
「…」
「ルイカが僕の欲しい言葉を云ったり、僕のしたい行動をしてくれるから…止まらないよ」
「薫さん…」


私と薫さんは何処か似ている処があるのかも知れないと思った。

お互いの境遇は全く違うものだったけれど、心が寂しいとか、常に心赦せる人が傍にいてくれたらいいのになと思う気持ちとか…


そういった心が似通っているんだなと、薫さんの甘く優しい挿入を受け入れながら思ったのだった。


蒼い樹が薫る
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