「ひゃぁぁぁぁ~」

バスと電車、そして新幹線を乗り継いでやって来た大都会。

着いた早々、私の第一声は其れだった。

降り立った駅構内は何かのお祭りがあるのだろうか?と思わせる様な人の多さだった。

(噂には聞いていたけれど…これほどのものとは!)

今まで育って来た場所とあまりにも違うこの現状にただただ驚くばかりだった。

(ハッ!ダメダメ、ボーッとしていたら田舎者だと直ぐにバレてしまう!)

気を取り直した私はいっちゃんから送られて来ていた待ち合わせの場所まで行く事にした。


(えーっと…中央口の階段を下りて…直ぐって事だけど…)

駅構内の地図だけ見れば直ぐに解りそうなものだったけれど、実際に歩いてみると人の多さと目に飛び込んで来る看板の多さとお店で視界がグルグルしてしまう。

(う゛~~ちょっと気持ち悪くなって来た…かも)

昨夜は緊張していたせいでロクに眠れなかった。

ついでにバスの時間も早かったから朝食抜きだった。

(何処か…座れる処ってないかなぁ)

辺りをキョロキョロと見渡していると、目の端に待ち合わせ場所であろうオブジェが見えた。

(あ、多分あそこが待ち合わせ場所だ)

周りに座る処はあったけれど、全て埋まっていて席は空いていなかった。

(はぁ、もういいや…)

疲れ切っていた私は徐にオブジェの前でしゃがみ込んだ。

(あんまり遠くに行ってもダメだし…此処で座っていた方が直ぐに見つけてくれるよね)

そんな事を考えながら行き交う人たちを見つめていると、やたらジロジロ見られている事に気が付いた。

(? 何だろう)

不思議に思いながらも特に何かを云われたりする事もなかったので、其のまま体育座りを続けた。

(あっそうだ、いっちゃんに着いたよって電話しよう)

私は持っていた携帯を操作し始めた。

すると

「──あの、ひょっとして…アオキさん?」
「え」

頭上から聞こえた声にドキッとした。

見上げると其処には知らない男の人がいた。

(はっ?!な、何、この人っ)

其の男の人は田舎では見た事がない様な金色の頭をしていた。

(外人?!)

そして少し暗い色をした瞳を見つめてドキンと胸が高鳴った。

(ひゃぁぁ~~いっちゃんと同じくらいカッコいいっ!)

思わず其の容姿から目が離せなくて私はしばらく呆けてしまった。

「…あの、口、開いてるけど」
「へ?」
「涎、垂れそう」
「!」

私は我に返って慌てて口の端を拭った。

其の様子をジッと見ていた男の人はククッと小さく笑った。

「凄い…今時そんな漫画みたいなリアクションする子がいるなんて…初めて見た」
「あ…あっ…」

クスクス笑う事数分、私はこの男の人がどういった人で、なんで私に声を掛けたのかよく解らなかったので何も言葉が出なかった。

でも

(あ!そういえば)


『──あの、ひょっとして…アオキさん?』


「はい!青木です」
「え」
「先刻、青木かって訊いた…ですよね?私に」
「…」
「私、青木です」
「……時間差── プッ!」

少し治まっていた男の人の笑いがまた再開した。

(え、えっ…何、何、なんなの~~)

そうして私は男の人の笑いが止まるまでただジッと待つしかなかったのだった。

蒼い樹が薫る
★ランキングサイトに参加しています。
其々1ポチずついただけると執筆の糧になります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村